債務整理にはどんなデメリットがある?債務整理の種類毎に徹底比較!

債務整理のデメリットとは

どうしても借金が返せなくなり、債務整理を検討している人も多いでしょう。

しかし実際に債務整理をおこなうと、どういったデメリットがあるのか気になりますよね。

このページでは債務整理をおこなうデメリットについて解説していきます。

債務整理には種類がある

まず債務整理は以下の手続きに分けられることを覚えておきましょう。

  • 任意整理(交渉による減額)
  • 個人再生(資産を一部残して借金を大部分を免除)
  • 自己破産(全ての資産を精算して借金の全てを免除)

手続きごとに生じるデメリットについては、このページの後半から紹介していきます。

全ての債務整理に共通するデメリット

債務整理のはいくつかの手続きがありますが、全てに共通するデメリットは以下の通りです。

  • 費用がかかる
  • 信用情報に債務整理の記録が残る

詳しくは次から見ていきましょう。

費用がかかる

任意整理・個人再生・自己破産はそれぞれ手続きの流れが異なりますが、基本的に費用がかかると考えておいた方が良いです。

なぜなら個人再生や自己破産手続きには官報掲載費や裁判所へ提出する印紙代がかかりますし、任意整理の場合も弁護士への報酬費用が必要になるためです。

なお任意整理は債権者と交渉の上借金の減額を求める手続きであるため、弁護士を必ず雇う必要はありませんが、債務者自らが「借金を減らして欲しい」と言っても相手にされない場合がほとんどでしょう。

以下に債務整理の手続きごとにかかる費用の目安をまとめました。

任意整理
費用名 費用額
着手金 債権者1件につき2〜5万円
報酬金 債権者1件につき2〜5万円
減額報酬 減額分の10%
個人再生
費用名 費用額
弁護士費用 50万円
裁判所費用 20万円
自己破産
費用名 費用額
弁護士費用 30〜50万円
裁判所費用 3〜30万円

なお、上記の費用額は弁護士連合会や裁判所の規定で決まっているため、依頼する弁護士によって大きく変わることはありません。

どうしてもお金が調達できない場合は、分割払いを相談すると良いでしょう。

弁護士側も利用者が経済的に困っていることは承知しているため、大抵の弁護士事務所であれば、分割払いに対応しています。

信用情報に債務整理の記録が残る

債務整理をおこなうと信用情報に債務整理の記録が残り、以下などが原則できなくなります。

  • カードローンの新規契約
  • 住宅・自動車ローンの新規契約
  • クレジットカードの新規契約・利用
  • 分割払いでの商品購入
  • 保証人になる
  • 賃貸借物件の契約

ただしあくまでも原則できなくなるというだけで、例えば中小消費者金融系であればカードローンを利用できる可能性はありますし、保証会社を利用していない賃貸借物件であれば契約自体は可能です。

たしかに債務整理のデメリットは多く、誰にでもおすすめできる手続きではありませんが、工夫をすれば生活への影響は抑えられます。

債務整理のデメリットだけに気を取られずに、しっかりと情報を集めた上で今後の方針を考えましょう!

債務整理①任意整理のデメリット

債務整理の一つである任意整理のデメリットとしては、以下などが挙げられます。

  • 収入が安定していないと利用できない
  • 借金の元金は減らない可能性が高い

詳しくは次から見ていきましょう。

収入が安定していないと利用できない

任意整理の目的は現在の収入に見合った額まで減額することです。

そのため、収入が安定していない場合は「減額しても計画的の返済できる見込みが薄い」と判断され任意整理ができません。

収入が安定していると判断されるためには、少なくとも以下の条件を全て満たしている必要があります。

  • 月々の収入に大きなバラつきがない
  • 今後も収入が得られる見込みがある
  • 連続して3ヶ月以上収入を得ている

任意整理をおこなう際は、給与明細書などを弁護士に見せながら相談すると良いでしょう。

借金の元金は減らない可能性が高い

先ほども説明した通り、任意整理は交渉によって債権者に借金の減額を求める手続きのことです。

そのためいくらまで借金を免除できるかは、交渉次第であり、多くの場合は利息分の免除に留まります。

元金を払えないレベルまで借金を抱えている場合は、個人再生か自己破産を選択しましょう。

債務整理②個人再生のデメリット

債務整理の一つである個人再生のデメリットとしては、以下などが挙げられます。

  • 利用条件が厳格・手続きが煩雑
  • 官報に名前と住所が載る

詳しくは次から見ていきましょう。

利用条件が厳格・手続きが煩雑

個人再生は債務整理の共通するデメリット以外には大きな欠点はありませんが、その分利用条件は厳しく設定されており、借金が5000万円以上ある場合個人再生手続きは利用できません。

また、個人再生は自己破産と違って破産管財人のように手続きを進めてくれる人はいないため、自身が調べて自分から動いていく必要があります。

ただし個人再生手続きは弁護士に依頼すれば、利用者がやることはほとんどないため、こちらもあまり大きなデメリットとはならないでしょう。

官報に名前と住所が載る

個人再生の一番のデメリットは官報(国の掲載誌)に名前と住所が掲載されることです。

官報掲載例
小規模個人再生による再生手続開始
○年(再○)第〇〇号
〇〇県〇〇市○丁目○番地○号
再生債務者 〇〇 〇〇
決定年月日時 ○年○月○日○時
主文 再生債務者について小規模個人再生による再生手続を開始する。
再生債権の届出期間 ○年○月○日まで
一般異議申述期間 ○年○月○日から○年○月○日まで
〇〇裁判所〇〇支部

しかし一般的に働いている人が官報をチェックすることは考えづらく、知り合いに見られる心配は無用でしょう。

また官報を見ているヤミ金融からダイレクトメールが届くことはありますが、無視をしていれば実害はありません。

なお官報は毎日発行されており、直近30日分であればインターネットから無料で確認できます。

詳しく知りたい人はそちらを参考にすると良いでしょう。

債務整理③自己破産のデメリット

債務整理の一つである自己破産のデメリットとしては、以下などが挙げられます。

  • 職業に制限が掛けられる
  • 持ち家や車などの資産を失う可能性が高い
  • 家族に秘密でおこなうのは難しい
  • 用途によっては借金が免除されない

詳しくは次から見ていきましょう。

職業に制限が掛けられる

自己破産手続をおこなうと、以下などの職業に制限が掛かります。

  • 弁護士
  • 弁理士
  • 公認会計士
  • 税理士
  • 司法書士
  • 行政書士
  • 土地家屋調査士
  • 社会保険労務士
  • 中央競馬の調教師、騎手の免許
  • 不動産鑑定士
  • 宅地建物取引主任
  • 中小企業診断士
  • 中央卸売市場におけるせり人
  • 賃金業務取扱主任者
  • マンション管理業務主任者
  • 風俗営業の営業所の管理者
  • 動物取扱責任者
  • 有料職業紹介事業における職業紹介責任者
  • 派遣元責任者
  • 警備員

ただし自己破産の手続中はその職業で働けなくなるというだけで、一定の期間を過ぎれば元どおり勤務できます。

なお、一般的なサラリーマンが自己破産をしたことで会社をクビになることはないため、安心してください。

持ち家や車などの資産を失う可能性が高い

自己破産は現在保有している財産を全て精算した上で、支払いができない借金を免除する手続きです。

そのため車や持ち家、株券や貴金属、土地など換金が可能である資産は基本的に全て処分する必要があります。

なお、個人再生であれば条件つきで車や家などの資産を残すことができます。

どうしても手放したくない資産がある場合は、自己破産ではなく個人再生を選びましょう。

家族に秘密でおこなうのは難しい

先ほど説明したとおり、自己破産をする際は保有している財産を精算する必要があるため、調査のために家の中や自宅周りに裁判所から人が派遣されます。

そのため家族に秘密で自己破産をおこなうのは難しいでしょう。

自己破産をすることを決めたら、なるべく早く家族に説明することをおすすめします。

用途によっては借金が免除されない

自己破産は全ての借金が免除される訳ではありません。

以下に自己破産で免除されない借金や支払いをまとめました。

  • 競馬やパチンコなどのギャンブルが理由の借金
  • 株・FXなどの投資が理由の借金
  • 住民税や年金などの税金
  • 破産者が請求されている損害賠償金
  • 養育費や慰謝料

ただし実際に借金が免除されるかどうかの最終的な判断は裁判所がおこなうため、破産者が免除される借金とされない借金を区別することは困難です。

破産手続きをおこなう前に、弁護士へ何に使った借金かを正直に話してアドバイスをもらうと良いでしょう。

債務整理の手続きごとにデメリットは違う!自身のニーズに合った方法で借金を整理しよう!

このページでは債務整理をおこなうデメリットについて解説してきました。

債務整理の手続きには種類があり、残したい資産がある場合は、任意整理や個人再生が向いていますし、膨大な借金があれば自己破産を選んだ方が良いでしょう。

債務整理の手続きによって生じるデメリットは異なるため、自身のニーズにあった債務整理手続きを選ぶことが重要です。

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