カードローンなどの少額借入の場合、複数のカードローン会社などを利用していると、それぞれの借入額に対して利息がかかります。
特に複数社から少しずつお金を借りている場合が一番損で、変動金利のうち最も高い金利が適用されてしまいます。
これをおまとめローンで一本化することで、適用金利を大きく減らせるのです。
勿論どこに、どの程度借入残高があり、それぞれに金利が何%課せられているのかによって違いがありますが、おまとめローンを利用することで、毎月の返済も楽になりますし、余分な金利を払わなくて良いというメリットもあるのです。
そこで、今回は人気の高いおまとめローンについてご紹介していきます。
おまとめローンはよく比較して選ぶべし!その理由は?
おまとめローンとは、多数の銀行や消費者金融などからの借り入れを、1社に借り換える方法のことで、多くの多重債務者の方の救済方法の1つでもあります。
多くの銀行や銀行系の消費者金融でこのような商品が見られ、お得感やメリットをアピールしている金融機関も少なくありません。
では、おまとめローンは本当に多重債務に苦しむ人にとって救世主となるのでしょうか?
現在の借入状況を考慮しないとお得なおまとめローンは選べない
おまとめローンにも、カードローンなどと同じで金融機関によって金利や条件に違いがあり、必ずしも自分にとってメリットがあるとは言えません。
まずは、自分自身の現在の借り入れ状況を知ることから、おまとめローンを利用するかどうかを検討していきます。あなたは、以下のことしっかり把握しているでしょうか?
- 現在のあなたの借入残高の合計額
- 何社から借り入れがあるのか
- 各社の金利
- 毎月の返済額の合計
- 各社の元金の残高
おまとめローンを使って借り換えをしても、現在支払っている利息に変わりがなければ自分にとってメリットはありませんし、毎月の支払額が少なくならなければ、現在の生活状況が変わることもありません。
自分自身の現在の借り入れ状況を知らなければ、どこの金融機関のおまとめローンがお得になるのか、メリットが大きいのかが判らず、間違った金融機関に申し込みをしてしまうと、今以上に苦しい状況に陥ってしまう可能性まであるのです。
メリットのないおまとめローンも多数存在する
おまとめローンと言っても、やはり金融機関によってその金利や借入限度額、借り入れ条件などに違いがあります。
例えばカードローンの金利を見てもらうとわかる通り、大手銀行などの場合には低金利に設定されていますが、地方銀行などの場合には最高金利が消費者金融並みに高いところもあり、同じ借入額でも支払っている利息に違いが出てくるのです。
当然、毎月の支払額も金融機関によって違ってくるのです。
もし、あなたが金利の低い銀行カードローンばかりで借り入れをしていた場合、消費者金融一本に借り換えると、金利・毎月の支払額などで損をしてしまう可能性もあるのです。
このようにあなたにとってメリットのないおまとめローンもあるため、比較検討をして見極めることが必要です。
例えば、「おまとめローン」や「借り換え専用」という商品などの場合には、「返済」を目的としていますので、現在の借入残高がどの程度であろうと、各社が決めている限度額に応じて借り入れることが出来ます。
この場合、現在の金利や返済額よりも低くなるように設定してもらえますので、毎月の返済も楽になり、メリットのほうが大きいといえます。
ですが、一般的なカードローンの場合、総量規制という制度があり、あなたの年収の1/3以上の金額を融資することが出来ないのです。
ということは、現在の借り入れを新たなカードローンで返済したくても、その借入残高全額分を借りることが出来ませんので、場合によっては定額の借り入れを増やすだけとなり、結果として毎月の返済額や金利でのメリットが全くないという状況に陥るだけかもしれないのです。
今現在の自分の借り入れ状況などを知ることも、おまとめローン選びには重要なのですが、自分にとってメリットがあるかどうかをそれぞれのローンの特徴を知ることで、判断する必要もあるのです。
審査が年々厳しくなっているので失敗できない
おまとめローンと言っても、多くの場合には「借り換え」を目的としており、弁済してもらえるわけではありません。
そのため、多くの金融機関では借り入れ審査をする際に、あなたの年収と現在の借入総額、返済状況などを見て、限度額をいくらに設定するのか、そもそも審査に通すのかを判断します。
現状借入総額が多すぎると、借り入れを一本化することが出来ず、現状を変えることが出来ない可能性もあります。
現在の返済状況を変えたいと思うなら、確実に借りられる金融機関で、現在の金利よりも低くなる商品を探し、借り入れの申し込みをする必要があるのです。
人気のおまとめローンをまとめて紹介
ここからは、人気の高いおまとめローンを5社ご紹介します。
中には、「おまとめローン」や「借り換えローン」といった商品がないところもあります。
このような場合には、普通のカードローンを申し込み、その新しいカードローンの限度額で別の借入金を返済することになります。
イオン銀行カードローン
利用できる方 |
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限度額 | 10万円~800万円 |
年利 | 3.8%~13.8% |
遅延損害金 | 14.5%(年) |
返済 | 残高スライド方式、約定返済1,000円/月~ |
イオングループが運営している銀行のカードローンです。
全ての手続きをネットで行えるので、手軽に申し込むことが出来ます。また、イオン銀行の口座を持っていれば振り込み融資にも対応しており、ATMでローンカードを出す必要がありません。
返済も口座からの自動引き落としですので、返済日を忘れることもありません。
イオン銀行の口座開設を即日でおこなう方法!手続きの流れと注意点
アイフル「おまとめMAX」
消費者金融大手のアイフルには、「複数の借り入れをまとめて、計画的な返済を応援します」というコンセプトで、「貸金業法に基づく計画返済支援おまとめMAX」という商品があります。
利用できる方 | 満20歳以上満で、定期定期な収入と返済能力を有する方 |
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限度額 | 1万円~800万円 |
年利 | 3.0%~17.5% |
遅延損害金 | 20.0%(年) |
返済 | 元利定額返済方式、返済回数は最高120回(最長10年) |
使い道は借入金の借り換えのみです。それ以外に利用することはできません。
また、契約についても最長10年と決められており、その間に返済する必要があります。
連帯保証人や担保などは必要ありませんが、他社での借入条件などがわかる書類と、本人確認書類、源泉徴収票などの収入を証明する書類の提出が必要となります。
契約も、申し込み自体はネットでできますが、契約については郵送または店舗窓口で行います。
また、他社への返済は、アイフルから直接各金融機関へ振り込まれることがあります。
この商品は、あくまでも返済のみの商品ですので、増額を申し込むこともできませんし、ローンカードが発行されることもありません。
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三井住友銀行カードローン
利用できる方 | 満20歳以上満69歳以下の方で原則安定した収入がある方 |
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限度額 | 1万円~800万円 |
年利 | 4.0%~14.5% |
遅延損害金 | 19.94% |
返済 | 残高スライド方式、約定返済2,000円/月~ |
無人契約機を設置しているので、申し込みのタイミングと審査によっては即日カードを受け取ることもできます。
とはいえ一般的には、銀行系カードローンですので審査が即日完了することは殆どありません。
カードローンの申し込みも借入・返済も全てネット上で行うことが出来ますので、他人にばれにくいという利点があります。
また、三井住友銀行のキャッシュカードを持っていれば、ローンカードがなくても借入返済が出来てしまいます。
そのため、審査結果の連絡が来たその日から借り入れが可能となります。
三井住友銀行カードローンの審査基準は厳しい?審査時間はどれくらいかかる?
じぶん銀行カードローン
利用できる方 | 満20歳以上満70歳未満の方で原則安定継続した収入がある方 |
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限度額 |
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年利 | 2.2%~17.5% |
遅延損害金 | 18% |
返済 | 残高スライド方式、約定返済1,000円/月~ |
毎月の返済額は、借入残高だけでなく借入利率によっても違いがあります。最低が1,000円/月となります。
また、auユーザーならau限定割が適用されますので、金利が低くなります。
- 通常コース : 2.1%~17.4%
- 借り換えコース : 1.7%~12.5%
特に、借り換えコースの場合には大手銀行並みの低金利となりますので、他社から比べてもおまとめローンとしてかなりメリットがあるといえます。
じぶん銀行カードローンを大手8社と徹底比較!メリット・デメリット
楽天銀行カードローン
利用できる方 | 満20歳以上満62歳以下の方で原則安定継続した収入がある方 |
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限度額 | 10万円~800万円 |
年利 | 1.9%~14.5% |
遅延損害金 | 19.9%(年) |
返済 | 残高スライド方式、約定返済2,000円/月~ |
パート・アルバイト、専業主婦(主夫)の方でも借りることはできますが、満60歳以下と利用できる年齢制限が一般よりも低くなります。
また、専業主婦(主夫)の場合には限度額は50万円と上限が決まっています。
楽天銀行の口座を持っていれば、申し込み・借入・返済がすべてネット上で完結してしまいますので、利用しやすいカードローンです。
楽天銀行カードローンの審査基準は甘い?学生やアルバイトにもおすすめ!
5つのおまとめローンを比較!どれがおすすめ?
ご紹介した5社のうち、借り換え・おまとめローンとして利用目的を限定しているのは、アイフルとじぶん銀行の2社だけです。
それ以外のカードローンでは、資金使途として借り換え、他社への返済を認めているという程度です。
そんな中で、どこが一番良いのか、お勧めローンについてご紹介します。
全体的にスペックの高いイオン銀行カードローン
最高金利を見ると、大手銀行の三井住友銀行カードローンよりも低く、さらに遅延損害金の金利も5社のうちで最低金利を設定しているのがわかります。
多重債務者の特徴として、毎月の収入が低く返済するためのお金を確保するのも難しく、時々返済が遅れて遅延金を取られているという点があります。
イオン銀行カードローンでは全体的に金利が低いというメリットがあり、また毎月の返済額も無理なく準備できる金額で設定されています。
そのため、現在の借り入れを全てイオン銀行に借り換えることが出来れば、毎月の返済額・利息の点でかなりお得になります。
借りやすさで選ぶなら消費者金融おまとめローン
イオン銀行は金利が安く、借り換えのメリットはかなり大きいといえます。
ですが、金利が低い分実は審査が厳しいというデメリットもあり、借り易さという点では消費者金融のカードローンやおまとめローンがおすすめです。
基本的に消費者金融では金利を高く設定しているため、たとえ返済が滞っても、遅延損害金や利息分で十分に利益を上げることが出来ますので、銀行カードローンで断られるスペックの低い消費者にも条件さえ合えば貸してくれるというメリットがあるのです。
とはいえ、おまとめローンを利用するメリットが自分にあるのかどうかをしっかりと確認する必要もあります。
比較しても1社に絞り込めなかった時はどうする?
人気の高い5社をご紹介しました。
今回ご紹介しなかった銀行や消費者金融でもおまとめローンをご利用いただけますし、借り換えで金利や返済額を低くすることもできます。
ですが、数多くある金融機関の中からどうしても1社に絞り込めないということがありますよね。
そんな時はどうすればいいのでしょうか?
先ずは、現在借入をしている金融機関で増額の相談をしてみましょう。
また、借り換えローンやおまとめローンなどの商品があれば、そちらへ移行できるかどうかの相談もします。
複数社に借り入れがある場合は、一度に何社かに相談するのではなく、一番メリットがありそうな金融機関から順番に相談していきましょう。
ご紹介した5社の中に、ご自分が借り入れをしている金融機関がないなら、ご紹介した中であなたにとって一番メリットがあると思われる金融機関を選びましょう。
複数社が同等でメリットがあるようでしたら、審査に通過しやすそうな金融機関から順に申し込みをしていきます。
最低1ヶ月は期間を空けて1社ずつ申し込む
カードローンなどの申し込み情報は、実は信用調査会社などに記録が残ります。
審査に通過しなくても記録が残りますので、連続して申し込みをすると審査に不利になるのです。
もし、最初の1社に融資を断られたら、残念ですが1か月待ってから次の金融機関に申し込みをしましょう。
申し込み記録はおよそ1か月間で消えますので、1か月は我慢です。
記録が消える前に申し込みをすると、かなりお金に困っていて切羽詰まっているのかもしれないと判断される危険性があります。
そのような判断をされてしまうと、残念ながら審査には通過しません。
審査落ちにならないためにも、1か月明けてから申し込みをしましょう。
同時に複数社へ申し込むと審査に通りにくい
おまとめローンの金融機関を1つに絞り切れなかったからといって、一度に複数社に申し込みをするのもダメです。
多くの場合ネットなどを使って申し込みをします。ということは、一度に複数社への申し込みをしたとしてもタイムラグがあり、審査開始にも各社でタイムラグが出てしまいます。
ということは、最初の1社が申し込み記録を信用調査会社に残します。ほかの金融機関はその記録を見るわけですから、現在他社にも申し込みをしているという事実を知ることとなります。
既に幾らかの借入残高があり、そこに追加で複数社に一度に申し込みをしているとなると、返済が困難になるのは目に見えていますので、返済できずに債務整理を始めてしまうか、最悪自己破産されてしまう可能性が高くなり、どこの金融機関でも貸し渋ります。
結果として、どこからも借りることが出来ないだけでなく、複数社に一度に借りようとするという事実が記録として残るわけですから、ほかの金融機関への借り入れ申し込みの審査も通る可能性が低くなってしまいます。
本気でおまとめローンを利用して現在の返済状況を少しでも軽くしたいのなら、複数社に一度に申し込むようなことはせず、自分にとって一番メリットが高いと思われる金融機関から順番に申し込みをするようにしましょう。
また、先ほど説明した通り、1か月に1社申し込むようにしましょう。