国民年金の受給額は保険料の納付年数によって変わりますが、厚生年金は収入額でも変動します。
そのため「自身の年収でどれくらい年金を貰えるか知りたい!」という方も多いでしょう。
このページでは、年金の計算方法・年収ごとの年金受給額・世帯ごとの年金受給額などについて解説していきます。
ページの後半では、正確な額を確認する方法についても紹介するので、そちらも参考にしてください。
年金は未納するとどうなる?未納するデメリットと差押の流れを完全解説!
年金はいくら貰える?計算方法を徹底解説!
年金はいくら貰えるかについてですが、冒頭で触れた通り、年金には国民年金と厚生年金があります。
男性の国民年金と厚生年金年金の平均受給額は以下の通りです。
年金の種類 | 毎月の平均受給額 |
---|---|
国民年金 | 5万8754円 |
厚生年金 | 16万5668円 |
女性の国民年金と厚生年金年金の平均受給額は以下の通りです。
年金の種類 | 毎月の平均受給額 |
---|---|
国民年金 | 5万3013円 |
厚生年金 | 10万3026円 |
男女で平均受給額が異なるのは、厚生年金が収入によって変化するためです。
具体的な計算方法などは以下からみていきましょう。
国民年金を計算する方法
国民年金は以下の式で計算することができます。
月々の国民年金の受給額=1万9500×保険料の納付年数÷12
国民年金は、20歳から60歳までの加入と保険料の納付が義務付けられています。
そのため、国民年金の満額は1万9500×40年÷12=6万5000円になります。
しかし、20歳前半の頃などは保険料の納付が難しい方も多く、最終的には5万円前後に収まる人が多いでしょう。
厚生年金を計算する方法
厚生年金は以下の式で計算することができます。
加入期間の平均給与月額×12×0.7%×2003年3月までの保険料の納付年数B:2003年4月以降の加入期間
加入期間の平均年収×0.55%×2003年4月以降の保険料の納付年数厚生年金額=A+B
2003年の4月から厚生年金の計算方法が変わったため、2003年をまたがって保険料を納付している場合は2つの式を利用する必要があります。
厚生年金の納付期間は会社に入ってから、退職する迄です。
上記の通り、収入と納付期間が増えれば増えるほど厚生年金は増えていきます。
そのため厚生年金を増やしたい場合は、収入を上げるか会社の在籍期間を増やすことが効果的だと言えるでしょう。
シミュレーションを利用する際の注意点
厚生年金の受給額は年収額によって異なりますが、保険料の納付年数によっても変化します。
また国民年金・厚生年金共に、納付年数が10年に満たない場合は、年収に関わらず年金を受け取ることはできません。
そのため、年金の猶予・免除制度を利用している方や、保険料を未納している方は次の注意を読んでからシミュレーションをしましょう。
未納・猶予・免除は年金受給額に影響がある!
未納・猶予・免除の影響を以下にまとめました。
空白 | 納付年数の加算 | 受給額の増減 |
---|---|---|
未納 | × | 増えない |
猶予 | 〇 | 増えない |
免除 | 〇 | 増える |
年金の保険料を未納すると、納付年数に加算されないだけではなく、年金受給額も増えません。
猶予制度を利用すると、猶予期間中も納付年数に加算されますが、受給額は増えません。
免除制度を利用している場合は、保険料を納めている扱いになります。
そのため、免除期間中も納付年数に加算されますし、年数受給額も増えていきます。
年収別の年金受給額をシミュレーション!
このページでは、先ほど紹介した計算式を使って、100万~700万円までの年収額でシミュレーションをしていきます。
また、国民年金と厚生年金の納付期間は22歳から65歳の43年間とします。
なお、今回シミュレーションで計算する額は、あくまでも一つの目安として参考にしてください。
年収100万の場合は月に約8万9583円貰える!
平均年収が100万円の方の年金受給額は以下の通りです。
- 国民年金 1万9500×43÷12=月)6万9875円
- 厚生年金 100万×0.55%×43÷12=月)1万9708円
- 合計 6万9875円+1万9708円=月)8万9583円
また、年収が100万円程度の場合は、年金保険料の免除や猶予制度を利用することができます。
詳しくは、以下のページを参考にしましょう。
年金はいくらもらえる?確認方法と年金を増やす方法を完全解説!
年収300万の場合は月に約12万9000円貰える!
平均年収が300万円の方の年金受給額は以下の通りです。
- 国民年金 1万9500×43÷12=月)6万9875円
- 厚生年金 300万×0.55%×43÷12=月)5万9125円
- 合計 6万9875円+5万9125円=月)12万9000円
年収500万の場合は月に約16万8416円貰える!
平均年収が500万円の方の年金受給額は以下の通りです。
- 国民年金 1万9500×43÷12=月)6万9875円
- 厚生年金 500万×0.55%×43÷12=月)9万8541円
- 合計 6万9875円+9万8541円=月)16万8416円
平成29年分民間給与実態統計調査によると、男女含む正規雇用者全体の年収はおよそ494万円程度と言われています。
そのため、多くの方の年金受給額は上記の額前後になるでしょう。
また、有料老人ホームを利用するためには、月々15万円程度の費用が必要であると言われています。
そのため、自身の年金のみで老人ホームの費用を払う場合は、平均年収が500万円程度必要になることが分かります。
年収700万の場合は月に約20万7833円貰える!
平均年収が700万円の方の年金受給額は以下の通りです。
- 国民年金 1万9500×43÷12=月)6万9875円
- 厚生年金 700万×0.55%×43÷12=月)13万7958円
- 合計 6万9875円+13万7958円=月)20万7833円
世帯別に年金受給額をシミュレーション!
ここからは、上記の式を使って世帯別に受給額をシミュレーションしていきましょう。
このページでシミュレーションする世帯は以下の通りです。
- 共働き夫婦の場合
- 会社員と専業主婦の場合
- 自営業夫婦の場合
具体的な額は次から見ていきましょう。
共働きの場合は月に29万4853円貰える!
男性の平均年収は500万円程度と言われています。
そのため、夫の年金受給額は月16万8416円程度だと計算することができます。
一方、女性の平均年収は287万円程度と言われています。
平均年収287万円の方が、保険料を43年間納付した場合の年金受給額は以下の通りです。
- 国民年金 1万9500×43÷12=月)6万9875円
- 厚生年金 287万×0.55%×43÷12=月)5万6562円
- 合計 6万9875円+5万6562円=月)12万6437円
そのため、共働き夫婦の場合、年金受給額は16万8416円+12万6437円=月29万4853円になります。
会社員と専業主婦の場合は月22万4978円貰える!
会社員と専業主婦の場合は、夫の16万8416円に妻の国民年金(6万9875円)を足した額になります。
男性の会社員と女性の専業主婦の場合、夫婦合わせた年金受給額は月22万4978円になります。
自営業夫婦の場合は月11万3124円!
自営業夫婦の場合は、国民年金(6万9875円)の額を2倍することで計算できます。
そのため両者とも自営業の夫婦が受け取れる年金受給額は、月々11万3124円です。
日本年金機構のサイトでシミュレーションをしよう!
ここまで、簡単な計算を使って年収や世帯ごとの年金受給額をシミュレーションしてきました。
しかし、年金受給額は保険料を納付していた期間や、納付年数によって変わることは前に説明した通りです。
そのため、年金受給額を計算するために、他のサイトでシミュレーションを利用するのも良いでしょう。
シミュレーションができるサイトは多くありますが、おすすめは日本年金機構です。
以下に、日本年金機構の「かんたん試算」を利用する流れをまとめました。
- スマートフォンやPCから日本年金機構のホームページにアクセス
- ねんきんネットのトップページの画面上部から「将来の年金額を試算する」ボタンをクリック
- かんたん試算のボタンをクリック
- 「試算条件」と「国民年金保険料の納付・後払い(追納)に関する設定内容」を入力
- 「試算する」ボタンをクリック
- 試算結果と、金額の内訳を確認
日本年金機構のシミュレーションは、正確な額と金額の内訳を確認できる点が魅力だと言えます。
シミュレーション自体も数分程度でできるため、まずは日本年金機構のホームページにアクセスして自身の年金受給額を試算してみましょう!
年金をシミュレーションして将来に備えよう!
ここまで、国民年金と厚生年金を計算する方法・年収別のおおよその年金受給額・世帯ごとのおおよその年金受給額・日本年金機構のシミュレーションを利用する流れを紹介してきました。
このページの内容をまとめると、以下の通りになります。
- 国民年金の月々の受給額は、1万9500×加入年数÷12で計算することができる
- 厚生年金の月々の受給額は、加入期間の平均年収×0.55%×2003年4月以降の加入年数÷12で計算することができる
- 年収が500万円の会社員は国民年金と厚生年金を合わせて、月に約16万8416円貰える
- 共働きの夫婦は二人合わせて、月に約29万4853円貰える
年金が老後の主な収入になる方は多いでしょう。
このページで紹介した計算式やシミュレーションから年金受給額を計算して、今のうちから将来に備えることをおすすめします!