銀行借入する方法と失敗しないためのポイント6選

「まとまったお金が必要だけど、消費者金融は何となく不安。」「お金を借りるなら、銀行のほうが安心だよね。」

こんな意見を良く見ますが、消費者金融を管轄する貸金業法の改正があり、現在では昔のドラマにあるような激しい取り立てもありませんし、年収に応じた限度額を設定してそれ以上の貸し付けを行っていませんので、「消費者金融=怖い」というイメージは一掃されています。

特に、アコムやプロミスなど、大手消費者金融の多くが銀行の傘下に入りクリーンなイメージで企業運営をしています。

その為、消費者金融に対する「不安・怖い」というイメージは本来なら持つ必要はないのですが、それでも未だに不安を持っている方も残念ながら少なからずいるようです。

そのような方の場合は、銀行での借入を希望します。

そこで、今回は銀行借入をする方法と借入に失敗しないためのポイントをご紹介します。

銀行カードローンと消費者金融の審査の違いを図解で解説!

銀行でお金を借入する方法は複数ある

銀行でお金を借りるといっても、銀行によってその商品名や商品の種類・数に違いはありますが、多くの場合消費者金融のようなカードローンばかりではありませんし、よく知られている住宅ローンばかりでもありません。

では、一般的にどのようなものがあるのか見ていきましょう。

少額借入に適しているのがカードローン

消費者金融と同じく、10万円程度から借りられるのがカードローンです。銀行によって違いますが最高額800万円まで借りることが出来ます。

例えば、友人や同僚の結婚式が立て続けにあり、ご祝儀を準備するにもお金が足りないとか、出費がかさんで家賃が払えないなど、直近でまとまったお金が必要だけれど借りる当てがない、貯金が足りないなどそのまとまったお金を準備できない方におすすめのローンです。

カードローンは保証人や担保がいらないというメリットもありますが、借入希望者の年収が低かったり、信用情報に傷があったりすると融資を受けられない可能性もあります。

意外と審査が厳しいのが、銀行カードローンなのです。

審査は厳しいですが、借りやすい・申し込みしやすいというメリットもあり、多くの方が利用しているのもこのカードローンなのです。

【メリット】

  • ネットだけで申し込みが出来るので、近くに店舗がなくてもOK
  • 保証人・担保不要
  • 借入残高に応じて毎月の返済額が変わる「定額リボルビング払い」
  • 少額から借りられる
【デメリット】

  • 審査が厳しい
  • 金利が高めなので利息が大きい
  • 意志が弱いと限度額内で借入を繰り返し、いつまでたっても完済できない

フリーローンは自由な目的で高額を借りたい方におすすめ

フリーローンという、利用目的自由という高額ローンもあります。このフリーローンも、銀行によって違いがあります。

例えば岐阜県にある地方銀行の1つ十六銀行には、「かんたんフリーローン」「プレミアムライフローン」「かんたんフリーローンワイド」と3種類があり、不動産担保のいるものもあれば、担保・保証人とも必要ないというものもあり、金利や条件などで選ぶことが出来ます。

横浜銀行には「フリーローン」と「ライフサポートローン」の2種類があり、金利や限度額に違いがあるものの、担保や保証人は不要というものです。

一例をあげてご紹介しましたが、このように銀行によってもフリーローンの商品内容や種類に違いがあります。

ですが、どの銀行でも共通しているのが「事業資金として利用してはいけない」という点で、個人が結婚式の費用や海外旅行費用、高額な楽器などの購入費用など、趣味や生活に必要な費用として利用することを目的としています。

また、無担保で貸し付けているフリーローンの場合には、概ね1,000万円が最高限度額として設定されています。カードローンと同じように、保証会社が保証人代わりになっているところも多く、保証人も必要ありません。

保証金というものを取っているフリーローンもあれば、不要としているフリーローンもあり、保証金に対する考え方も銀行によって様々です。

但し、手続き手数料というローン契約に必要となる手数料については、どのフリーローンでも必要となり、この点がカードローンとの違いでもあります。

また、一部のフリーローンの場合を除き、多くの銀行では店舗での契約となり、ネットだけで全て完結とはいきません。

また、借り入れについても最初に決められた限度額を全て借りることが出来ますが、借りた後は減殺するだけですので、限度額内で何度でも追加で借りるということはできません。

しかも、返済額は最初の契約時に決められ、完済まで毎月定額で返済していくこととなります。

これらの点でも、カードローンとは違っています。

申し込み方法は、無担保ローンの場合にはネットで全て完結ということもありますし、有担保ローンの場合には窓口のみということもあります。この点もローンの種類や銀行によって違いがありますので、カードローンのように近くに支店がない銀行では手続きをすることが出来ない場合もあります。

フリーローンの審査基準を徹底比較!金利が高いほど審査に通りやすい

【メリット】

  • 無担保・無保証人で高額融資を受けられる
  • カードローンよりも金利が低い(一部違うこともあるので注意)
【デメリット】

  • 追加融資を受けられない
  • 借入残高に応じて返済額が減ることがない
  • 保証金や手数料がかかることも
  • 銀行によっては担保が必要

住宅ローン・カーローンなどの目的別ローンもある

住宅ローンやマイカーローン、学資ローンなど目的別のローンも銀行にはあります。

この目的別ローンも、銀行によって違いがあります。

例えば、先ほどご紹介した岐阜県の十六銀行には医者限定の「ドクターズローン」というものがあり、この中にも「フリーローン」と子供のための「学資ローン」があります。

また別の銀行では、昨今の自然災害を受けて自然災害時に復興目的で利用できるローンを扱っている銀行もありますし、人が住んでいない廃屋の解体やリフォームを目的としたローンもあるのです。

例えば先ほどフリーローンで「結婚式の費用」に使えるとご紹介しましたが、銀行の中にはこの結婚式や新婚旅行に利用することを目的とした結婚式ローンというものを扱っているところもあり、どこで何を目的にお金を借りるかによって、利用できる商品が大きく違ってくるのです。

【メリット】

  •  高額の融資を受けられる
  •  返済計画を立てやすい
  •  低金利
【デメリット】

  • 目的以外への利用が出来ない
  • 途中で増額することが出来ない
  • 保証料や手続き手数料などがかかる
  • 完済まで毎月定額での返済(ボーナス払いもある)
  • 担保や保証人が必要

年収から銀行の借入可能額をシミュレーション

では、実際に銀行から借り入れを行う場合、どの程度まで借り入れが出来るのか確認してみましょう。

各銀行のHPにある返済シミュレーションなどを使って確認します。

年収300万円がカードローンを使う時の借入可能額

カードローンの場合、多くの銀行では「総量規制」というものを導入していますので、単純に考えて年収300万円なら借入可能額は最高で100万円となります。

総量規制というのは、消費者金融など貸金業者のための「貸金業法」で定められている規制で、借入希望者の年収の1/3以上の貸し付けをしてはいけないというものです。

銀行法で規制されている銀行には本来関係のない規制なのですが、昨今カードローン破産や自己破産などが増加している背景から、多重債務者への配慮もあり総量規制を自主的に導入している銀行も増えているのです。

その為、借入希望者の年収の1/3が借り入れ可能最高額となるのです。

特に、他社に借入残高がある場合には、その残高も含んで1/3です。

例えば、年収300万円で既に50万円の借入が他社にある場合には借入可能額は50万円が最高額となります。

そのほか、勤務先や家賃の有無、これまでのクレジットカードや携帯電話利用料などの返済状況などの信用情報を加味して、貸付額を決定します。

年収が300万円あっても、ほかに借り入れがなくても、信用情報に傷がついている場合には借入可能額が低くなったり、借入できなかったりすることもあります。

年収300万円がフリーローンを使う時の借入可能額

銀行のHPなどでフリーローンのページを見ると、シミュレーションを使って毎月の返済額を試算したり、毎月の返済額から融資可能額を試算したりできます。

年収300万円ということは、ボーナス無しなら単純に12か月で割ると1か月25万円です。

そこから毎月5万円を返済できるとして、10年で返済するとすれば2,000万円近く借りることが出来ます。返済額を1万円とすれば700万円程度の融資が受けられます。

但し、これはあくまでも単純なシミュレーションで算出した額です。

ここに、借入希望者の勤務先や勤続年数、現在の借入残高、信用情報などを考慮すると、これだけの金額を借りれるとは言い切れません。

あくまでも目安だということを忘れないでください。

年収300万円が担保付きローンを使う時の借入可能額

例えば住宅ローンの場合、「フラッツ35」のHPで借入金額や毎月の返済額などのシミュレーションを行ことが出来ます。

年収300万円で他への返済がない場合には、35年返済計画で2,525万円借りることが出来ます。もちろん、ボーナス返済ありの場合です。

有担保ローンの場合は、担保となる不動産や自動車などの市場価値によっても借入額が変わることがありますし、また勤務先企業によっても残念ながら借入可能額が変わってきます。

例えば、大手精密機器メーカー本社勤務で年収1,000万円の人の場合、住宅ローンで6,000万円借りることが出来ています。

同じ年収でも勤務先のスペックによってはこれだけの高額で借りることは出来ません。住宅ローンでも審査を行い、その審査結果によって貸付額を決めますので希望する額を借ることが出来るとは限りません。

特に高額となる住宅ローンなどの場合には、あなたの年齢と定年予定年齢によって、返済できる額に違いが出てきます。

返済期間が短い場合には借入金額が少なくなってしまうこともあります。

銀行借入を成功させる6つのポイント

ここまでの説明で、銀行ローンの種類やそれぞれのメリット・デメリットが理解できたかと思います。

ここからは、銀行借り入れを成功させるためのポイントを6つご紹介します。

限度額は必要最低限に留めておく

銀行ローンは、有担保・無担保に関係なくある程度年収を見られます。

特に年収に応じた金額というものもあり、必要以上の希望額を記入すると審査に通らない可能性もあります。

無担保ローンの場合には総量規制により年収の1/3までとしている銀行も多くありますので、例えば1,000万円まで借りることが出来るフリーローンでも満額借りることは出来ません。

年収や勤続年数、他社からの借り入れなどを見て返済能力を図りますので、最初から必要額以上の金額を希望しないようにしましょう。

必要額以上を記入してしまうと審査に通らないこともあります。

借りたお金はあくまで「つなぎ」と考える

住宅ローンやカーローンなどの目的別ローンでも、少額ローンでも、全てのローンは一時的な借り入れであり、つなぎです。

必要なものを購入したり、必要な時に使ったりと、お金が足りない時に借りてそのあとは返済をしていきます。

その為、この借りたお金は一時的なものであり、お金がない間の「つなぎ」でしかないのです。

いつでも借りることが出来て、いつでも使うことが出来るお金ではなく、借りたら返す必要がるお金だということを忘れないようにしましょう。

特に、返済が長引くとその分の利息がかさんでしまい、余分にお金を支払うことになります。

複数の銀行に相談しにいって比較する

先ほどのローンの違いでも少しご説明しましたが、ローンは銀行によって種類も違いますし、貸付条件も違います。更には金利や融資上限額も違います。

口座を持っている銀行だけでなく、複数の銀行窓口で相談してみましょう。

おおよそで貸付金額を教えてくれる銀行もありますので、その貸付金額を比較したり、金利と支払利息の総額を比較したり、金利や返済期間、返済額などを比較したりして決めるようにしましょう。

金利・返済…最も重視したいのはどこか考える

複数の銀行で相談をしても、どこにすれば良いのか判断がつかないのなら、自分が何を重視するのかで決めては如何でしょうか?

例えば金利です。

この場合、上限金利を見て決めるようにしてください。金利に幅を持たせている場合、申込者のスペックに応じて金利を決めることがあります。

またカードローンなど、低額ローンの場合には固定金利ではなく、借入残高に応じて金利が変わることもあります。自分が希望する借入金額の上限金利を比較して選択します。

また、毎月の返済額で選ぶという方法もあります。

フリーローンや目的別ローンの場合には、毎月固定額で完済まで返済し続けます。ボーナスがあれば年2回のボーナス払いもあります。

自分の収入と支出のバランスを見て、この金額なら返済可能と思われるものを選ぶという方法もあります。返済回数で選ぶという方法もありますし返済方法で選ぶという方法もあります。

カードローンなら、借入残高に応じて返済額が変動する定額リボルビング方式という返済方法を取り入れています。

つまり、完済が近くなれば毎月の返済額が少なくなるというものです。

自分が何を重視しているのか、銀行選び・ローン選びはまずはそこからです。

返済の道筋をしっかりたてる

将来的に多重債務などに苦しむことがないように、返済計画をしっかり立てておくことも重要です。

カードローンなどは低額ローンとは言え手軽に借りることが出来るということもあり、またいつでも限度額までなら何度でも借り入れが出来るということもあり、いつまでたっても完済できないという方も少なくありません。

例えば、現在パートやアルバイトなど非正規雇用の方の場合には、将来的には正規雇用に転職するとか、自分なりに節約することを考え生活の中の無駄を省くようにするとか、返済が滞らないように、これ以上の借り入れを増やさないように、返済シミュレーションなどを使ってしっかりと返済計画を立てておきましょう。

返済の遅延が1回でもあればその記録は信用情報というものに記録されます。遅延も同じです。遅延や延滞を繰り返すようになると、その記録も残ってしまいます。

返済のためにほかのローンを利用しようとしたり、借り換えローンやおまとめローンなどを利用しようとしたり、クレジットカードを作ろうとするときに、これら遅延や延滞の記録が残っていると、審査に落ちてしまいます。

将来的に自分自身が困ってしまうことになりますので、返済の道筋は借りる前にしっかりと立てておきましょう。

同時に複数のローンに申し込むのはNG

1つの銀行で借りられる金額が低いからと、複数の銀行へ同時に申し込みをすることはNGです。

先ほどから説明の中に出てきている「信用情報」には、現在のクレジットカード契約情報や利用情報のほか、カードローンや多目的ローン、奨学金やスマホ本体の分割払いなど、お金の絡む契約情報は全て記録されています。

当然、どこの銀行にいつどんなローンの申し込みをしたのかという情報まで記録されているのです。

その申し込んだローンの契約に至らなかったとしても、最低でも1か月は申し込んだという事実が記録として残るのです。

しかも、銀行が利用している信用情報会社は「全国銀行個人信用情報センター」で消費者金融やクレジットカード会社などが利用している信用情報会社と相互に情報のやり取りをしていますので、一度に複数のローンに申し込みをしたら全てそれぞれに銀行にその情報が知られてしまいます。

このような場合には、「お金を借りられるだけ借りて自己破産するのでは?」と疑われてしまったり、多重債務を疑われたり、返済能力を疑われてしまいますので、審査に通ることはありません。

しかも、1か月は複数の申し込みを一度にしたという記録が残るのですから、最低でも1か月間はほかの金融機関へのローンの申し込みもできないのです。

本気で銀行からお金を借りたいのなら、一度に複数のローンに申し込みをしないことです。

銀行借入のポイントを知って安全に利用しよう

銀行でお金を借りるには、以下のポイントを理解して、計画的に借りるようにしましょう。

  1.  限度額は必要最低限
  2. 借りたお金は「つなぎ」
  3.  複数の銀行で相談・比較
  4.  何を重視するのか考える
  5. しっかりとした返済計画
  6.  同時に複数申し込みはNG

銀行によってローンの種類や貸付条件、金利など様々です。それらをしっかりと比較検討して、自分に合ったものを借りるようにしましょう。

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