カードローンもクレジットカードもどちらも審査がありますが、どちらの方が審査に厳しいのでしょうか。
実は、この2つは適用される法律が異なっているので、審査基準が違います。
一般的にはカードローンよりもクレジットカードの方が審査が通りやすいとされていますが、実際のところはどうなのでしょう。
今回は、審査の違いについて詳しくお話していきます。
また、審査に通りやすいものはどちらなのかについても詳しく解説していきましょう。
カードローンとクレジットカードの審査の違い
カードローンとクレジットカードの審査の違いとしては、以下などが挙げられます。
- 適用される法律の違い
- 在籍確認の有無
詳しくは次から見ていきましょう。
適用される法律
カードローンとクレジットカードでは適用される法律が違います。
カードローンでは貸金業法や銀行法が適用され、クレジットカードでは割賦販売法が適用されます。
詳しくは次から見ていきましょう。
貸金業法や銀行法とはなにか
賃金業法は消費者金融で適用される法律です。
新しい貸金業法のポイントを見てみましょう。
2010年に改正され、3つの規定が出来ました。
その中の1つが、総量規制と呼ばれるものです。
これは借り過ぎや貸し過ぎの防止に繋がり、借入残高が年収の3分の1を超える場合には借入ができません。
それから、上限金利の引き下げも適用されました。
上限金利が29.2%から借入金額に応じて15%~20%に引き下げられています。
また、賃金業者に対しての規制も成立し、賃金業務取扱主任者を営業所に置くことが義務付けられました。
一方、銀行法は、銀行に関しての法律になり、銀行の業務の公共性において信用維持や預金者保護を目的として定められたものです。
金融の円滑の為の銀行業務の健全さと適切な運営を確保していくことを目的としています。
このように、賃金業法と銀行法は異なっていて、総量規制などの法律は銀行の貸金業務に関しては適用されません。
2つの法律の違いを理解しておくことが大切です。
割賦販売法とはなにか
割賦販売法は昭和36年に施行された日本の法律です。
割賦販売による取引の公正の確保と購入者が受けることのある損害を防止すること、クレジットカード番号などの適切な管理をすることを目的として作られました。
これは割賦販売を健全に行うことを目的とし、購入者の利益を保護する役割があります。
これによって、商品の流通を円滑にする効果が発揮されるものです。
元々は割賦販売を行う事業者と小売業者による取引秩序を目的としていたのですが、改正割賦販売法によって、購入者の利益を保護するという目的もプラスされました。
この法律はクレジットカードの不正利用が増加したことが背景にあります。
そして、経営産業書が所轄官庁となり、それを防ぐ為に2018年6月1日に信用照会端末ICカード決済対応を義務化しました。
在籍確認の有無
カードローンとクレジットカードの審査の違いとしては、在籍確認の有無が挙げられます。
在籍確認とは申込者が申告したとおりの職場に勤めているか確認する審査のことで、大抵の場合は審査担当者が申込者の職場に直接電話を掛けることで実施されます。
基本的にカードローンであれば在籍確認は実施されますが、クレジットカードでは実施されないケースの方が多いです。
カードローンとクレジットカードのどちらを利用するか迷っている人は、気をつけましょう。
カードローンとクレジットカードに共通する審査基準
カードローンとクレジットカードに共通する審査基準としては、以下などが挙げられます。
- 利用条件に当てはまるか
- 他社借入が多くないか
- 信用情報に傷がないか
詳しくは次から見ていきましょう。
利用条件に当てはまるか
カードローンやクレジットカードには利用条件が設定されており、条件に当てはまらない限り審査にとおることはありません。
以下に多くのカードローンやクレジットカードで設定されている利用条件をまとめました。
借入方法 | 利用条件 |
---|---|
クレジットカード | 満18歳以上 |
カードローン |
|
なおカードローン会社に安定した収入があると判断されるためには、少なくとも以下の条件を全て満たしている必要があります。
- 月収8万円以上
- 月々の収入に大きなバラつきがない
- 今後も収入が得られる見込みがある
- 連続して3ヶ月以上収入を得ている
カードローンの審査を申し込む際には注意しましょう。
他社借入が多くないか
カードローンやクレジットカードの審査では返済能力を確認するために、他社の借入状況がチェックされます。
そして以下などに当てはまる場合、審査にとおるのは難しいでしょう。
- 年収の3分の1の額を借りている
- 借入件数が4件を超えている
詳しくは次から見ていきましょう。
年収の3分の1の額を借りている
カードローンの種類の1つである、消費者金融系カードローンは貸金業法という法律によって年収の3分の1以上の融資を禁止されています。
そのため現在年収の3分の1の額を借りている場合は、カードローンから融資を受けることができず、審査に落ちてしまいます。
なお銀行系カードローンやクレジットカードは総量規制の対象外ですが年収の3分の1もの額を借りている場合は、返済に回せる余裕がないと判断され、審査に落ちる可能性が高いです。
現在カードローンやクレジットカードを利用している人は、借入残高と年収を確認してから新規の審査を申し込みましょう!
借入件数が4件を超えている
また借入件数が多いと今後債務整理をする可能性が高いと判断され、審査にとおりづらくなります。
明確に「借入件数が4件を超えている場合はカードローン(クレジットカード)を利用できない」と審査基準を公表している金融機関は少ないですが、債務整理をする多重債務者が平均4件のカードローンやクレジットカードを利用していることを考えると、4件という数字は審査の成否を決める1つのボーダーラインと言えます。
現在カードローンやクレジットカードを4件以上利用している場合は、返済を進めるかおまとめローンで一括化してから、新規の審査を申し込みましょう。
信用情報に傷がないか
カードローンやクレジットカードの審査では信用情報がチェックされるため、過去に以下などの金融事故を起こしている場合は審査に落ちる可能性が高いです。
- クレジットカードの支払い延滞
- カードローンの返済の遅れ
- カードの強制解約
- 携帯電話料金の滞納
- 保証会社経由の家賃滞納
- 保証会社などの代位弁済
- 奨学金の返済滞納
- 連帯保証人の返済滞納
しかし信用情報には保存期間が設定されているため、金融事故の解消から一定期間が経過していれば、カードローンやクレジットカードの審査にとおる可能性はあります。
上記の金融事故に心当たりのある場合は、新規のカードローンやクレジットカードの審査を申し込む前に、信用情報を確認しましょう!
提携機関の信用情報を確認しよう!
信用情報は以下の個人信用情報機関に照会を依頼することで確認できます。
- CIC(指定信用情報機関)
- JICC(日本信用情報機構)
- KSC(全国銀行個人信用情報センター)
なお、信用情報は利用したいカードローンやクレジットカード会社が提携を結んでいる機関の信用情報を確認しましょう。
なぜならカードローンやクレジットカードの審査では、提携を結んでいる機関の信用情報がチェックされるためです。
基本的に消費者金融はCICとJICC、銀行はKSCと提携を結んでますが一部例外もあるため、利用したいカードローンやクレジットカードの公式サイトを確認することをおすすめします。
信用情報を確認する方法
以下に信用情報機関ごとの照会方法をまとめました。
【CIC】
- ①CICにクレジット契約で利用した電話番号から電話を掛ける
- ②受付番号を控える
- ③クレジットカードで照会費用(1件につき1000円)を払う
- ④受付番号を入力
- ⑤WEBで信用情報を確認する
【JICC】
- ①「スマートフォン開示受付サービス」のアプリをダウンロード
- ②アプリからメールを送信
- ③パスワードを入力
- ④氏名・生年月日・住所・電話番号を入力
- ⑤本人確認書類を送信
- ⑥開示手数料の支払い
- ⑦郵送される照会結果の確認
【KSC】
なおKSCはWEBや来店での照会に対応しておらず、郵送のみの対応になります。
以下の3点を信用情報センターに送付して信用情報を取り寄せましょう。
- 開示請求申込書(KSCの公式サイトよりダウンロード可能)
- 定額小為替証書1000円分(郵便局にて購入可能)
- 本人確認資料(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)
なお、送付先は以下のとおりです。
東京都千代田区丸の内2-5-1
一般社団法人全国銀行協会
全国銀行個人信用情報センター
自身のニーズを踏まえて借入方法を選ぼう!
このページではカードローンとクレジットカードの審査の違いについて解説してきました。
基本的にカードローンよりもクレジットカードの方が審査にとおりやすいですが、利便性はカードローンの方が上です。
自身のニーズを明確にしてから、借入方法を選びましょう!