毎日のように、カードローンの広告を見る機会があるかもしれません。
カードローンは、イメージアップを図るため、広告を頻繁に放送しています。
ただ、この広告では、様々な規制が設けられています。この規制を守って包装しなければ、広告が流せなくなります。
イメージアップを図るための広告ではあるものの、放送できる上限は決められています。
また、包装できる時間帯なども制限されているため、他の業種に比べると厳しい傾向があります。
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カードローンの広告には規制がかけられている
カードローンの広告には、色々な制限を付けています。
この制限により、カードローンが情報をごまかすような内容で放送できなくなりました。
また、全く関係ないような広告が作れなくなり、どのような場合でも借りるという部分に重きを置いて広告を作らなければならないのです。
こうした規制により、現在ではイメージアップを図れるような広告を作りつつ、規制の範囲内でサービスをしっかり紹介できるようにしています。
ただ、この規制の中には、手軽さや便利さなど、借りやすいという部分を明確にしてはいけないため、借りやすいという内容は放送できないのです。
この規制の中で、どれだけいい広告を作れるかが焦点となります。
手軽さ・便利さを過度にアピールするのはNG
カードローンは手軽に借りられるイメージが非常に強い会社でもありますし、便利な借入ができるという傾向も強まっています。
しかし、こうした借りやすいと思われる内容を大々的に宣伝し、利用を促す内容は禁止されています。
借りやすい、便利に借りられるという内容は、絶対に放送してはいけないのです。
貸金というのは、そう簡単にできるようなイメージを持たせてはいけません。規制をしておかないと、簡単にお金を借りた人が返済できなくなり、再びカードローンが大きな問題にさらされてしまいます。
問題が起こらないように、規制の範囲内で宣伝するような方針を取らなければならないのです。
カードローンの広告規制が導入された背景
カードローンの広告が規制された背景には、過去にカードローンからの借入が問題視された点があります。
過去のカードローンというのは、とにかく借りやすい状況が生まれていたため、簡単に借金ができる状況でもありました。しかし、簡単に借りられるというのは、同時に多重債務の原因となっていました。
多重債務によって、返済できないほどの債務を抱えてしまい、自殺などの問題が相次いで発生しました。
借りやすいという部分を全面的にアピールしていたカードローンにとって、社会問題化は大きなダメージとなりました。
こうした借りやすさをアピールする広告については、2006年以降に禁止されるようになり、規制の範囲内で広告の作成が求められるようになります。
規制により、全くカードローンと関係のない広告は放送できなくなりました。
また、放送される内容に問題がある場合、基本的に広告の修正を求められるようになりました。
広告1つでも厳しい規制の中で、カードローンはサービスを展開し続けなければなりません。
2000年代にカードローンからの多重債務が社会問題化
2000年代に入ると、カードローンの多重債務問題が表面化し、自殺者や債務整理などのケースが後を絶たなくなりました。
こうした状況に国が規制を設けるべきではないかという声も高まり、カードローンの立場は厳しいものへと変わっていきます。
この頃の広告は、明らかにカードローンとはかけ離れた内容が放送されていました。
ダンスをしているだけの広告や、キャラクターがサービスの名前を話しているだけという内容など、明らかにカードローンとは関係のない要素ばかりとなっていました。
その結果、カードローンが放送する広告は不適切だという判断も受けてしまったのです。
さらに、適切にサービスを紹介していないと判断されるケースも多々あったため、2003年ごろから放送される広告には規制が入るようになりました。
無関係な内容は禁止され、よりカードローンのサービスをわかりやすく紹介するように求められたのです。
2006年に貸金業法が改正
2006年には貸金業法が改正され、広告に関連する内容も変更されました。
広告については、表現の規制が設けられるようになり、規制の範囲内でサービスを紹介するように求められたのです。
この規制に違反するようであれば、貸金業者としての登録が抹消される場合もあります。
こうした貸金業法の改正により、一気にカードローンの広告は硬いものへと変わっていきました。
規制された範囲で、とにかくサービスを紹介しようという動きが強まり、これまでのような軽い感じの広告は減っていきました。
現在では、規制の範囲内でイメージアップを図る広告が多くなっていますが、貸金業法が改正されてからは、明らかにおかしい広告は作れなくなったのです。
改正した貸金業法には広告表現の規制も盛り込まれた
改正した貸金業法には、広告表現の規制が追加されました。この規制がなければ、カードローンは再び不適切な広告を出し続けると判断されたためです。
簡単に借りられるようなイメージを払しょくさせるためにも、広告表現の一部は規制する必要がありました。
規制により、カードローンの一部は広告を新しく作り替えることとなり、これまで利用されていた広告の再利用ができなくなりました。
また、新しい広告も厳しい審査が適用されるようになり、内容によっては放送ができなくなったのです。
他にも放送時間の規制なども追加されるようになり、広告ができる範囲が大きく変わりました。
これにより、広告を見かけなくなった人も増え、カードローンの知名度アップなどの手法が変わるようになったのです。
カードローンの広告規制のポイント
カードローンの広告では、様々な規制が設けられています。
この規制の範囲内で放送しなければ、最終的に広告の放送が認められなくなり、新しく広告を作り直す必要がありました。
できる限り広告の作り直しを避けるため、カードローンは規制をすべて守るようにしています。
制作する広告の内容以外にも、放送できる時間や本数の制限も追加されました。この制限によって、放送できる範囲がかなり狭くなりました。
特に子供などが見る時間帯に規制が入るようになり、広告を見る機会が大幅に減った人も出てきました。
下限金利を強調する表現はNG
下限金利を強調する内容はNGとなっており、放送できません。
下限金利というのは、金利の小さい数字に該当するもので、この内容を強調してはいけないのです。
その理由は、下限金利を適用される人はほとんどいないためで、明らかに間違った内容を紹介していると判断されるのです。
小さい金利を強調すると、多くの人がこんなに小さい金利で借りられるのかと勘違いしてしまいます。
実際には上限金利が適用されるケースが多くなっているため、本来であれば下限金利を大々的に紹介する必要はありません。
誤った認識を避けるために、低金利であると誇張する内容は禁じられています。
1日の広告本数の制限
1日の広告本数ですが、基本的に会社側が自主的に規制している形で制限されています。
月に放送できる範囲は100本までと制限されているため、1日に放送できる本数を増やしても何も問題はないのですが、放送しすぎると月末に広告を流せない問題が発生します。
こうした問題を避けるため、放送できる本数は大体3本程度に制限されています。
また、夜22時から0時の間は、月に50本までしか放送できなくなっています。
この制限の中で、1日に何度放送すべきか会社側が慎重に考え、最終的に放送する本数を決めているのです。
放映できる時間帯の上限
広告を放映できる時間帯ですが、かなり厳しくなっています。
朝7時から10時までの間、17時から22時までの間は放送が禁止されており、この時間帯にカードローンは番組スポンサーなどで広告を流せなくなりました。
放映できる時間を規制する背景には、子供にカードローンについて知ってほしくないという部分もあります。
過去には子供にもカードローンの広告が親しみを持って受け入れられた結果、子供がカードローンのサービスを知っているというあり得ない状況も起きてしまったのです。
子供の目に触れないために、子供が多くテレビを見ている時間には放送できなくなったのです。
社名・登録番号・金利の表示義務
広告の放送時には、社名や登録番号、金利などの表示義務があります。この義務に違反している場合は、広告の放送ができなくなります。
必ず公開しなければならない情報は、広告の中で取り上げなければなりません。
現在の広告では、社名を大々的に紹介したのち、金利について画面に表示する傾向が多くなっています。
最後に登録番号も含めた内容を説明する会社も多くなっており、登録番号まで必ずわかるように説明しています。
こうした取り組みにより、カードローンだとわかりやすく説明しているのです。
「短期間」など期間が曖昧な表現の規制
短期間で借りられるなど、期間が曖昧な表現は禁止されました。必ずどの期間までに借りられるのか、返済するのかは正しく表現しなければなりません。
借りやすいような表現を提示すると、その時点で広告は放送できなくなるため、各社は短期間や借りやすいイメージを出さないようにしています。
返済能力がない人(無職など)に向けた説明の規制
返済能力を持っていない人に向けた説明は、借りられないという説明をするのは問題ありませんが、借りられるようなイメージを提示する内容は禁止されています。
返済能力を持っていない人は、その時点で借りられる可能性がないため、基本的に借りられるイメージを持たせてはいけません。
無職が借りるようなイメージを出さないように、広告では無職が登場するような内容は制限されています。
また、専業主婦が借りるようなイメージも出さないため、出演している人は会社員など、収入を持っている人が主体となっています。
借入が簡単という内容の規制
借入が簡単だという内容は規制され、放送できなくなっています。借入が簡単だと説明すると、過去の広告と同じ内容となります。
借りやすいイメージを前面に出すのは禁じられているため、借入が簡単なイメージを出してはいけません。
これはカードローン側にとって、辛い規制の1つです。借りやすいというイメージがなくなると、カードローンは使われにくくなってしまうのです。
しかし、広告では放送できないため、やむを得ず規制の範囲で広告を作り上げています。
「年金だけじゃ足りない」など公的な受給者に向けた説明の規制
年金受給者に対して、年金だけでは生活できないという内容を説明するのは禁じられています。この内容を提示した場合は違反行為として扱われます。
年金受給者は、収入を持っているかもしれませんが、返済能力がしっかりと備わっているわけではありません。
誤解を招く表現でもありますので、絶対にカードローンが広告で放送してはいけない内容となっています。
カードローン側でも広告を自主規制している
カードローン側は、個人的に広告の自主規制を実施しています。特に放送する本数ですが、100本をベースに制限するように心がけています。
これにより、広告の過剰な放送が避けられるようになりました。
また、放送する時間帯などにも気を付けて、夜の時間は広告の本数をなるべく減らすなどの対応も取っています。
1社の放映は月100本以下に制限されている
1社が放送できる広告本数ですが、月に100本以下に制限しています。100本を超えるような放送は、自主的に実施しないようにしています。
これはカードローンの団体などで自主的に制限しているもので、できる限り守るように心がけています。
広告の本数が多くなると、カードローンが過剰に宣伝していると判断され、国から注意を受ける場合もあります。
さらなる規制を避けるために、広告の本数をあまり増やさないようにしているのです。
カードローンのインターネット広告・広告も同じように規制されている
カードローンは、インターネットでも広告や広告を提供していますが、同様の規制が適用されています。
過去にはネット広告での制限が緩くなっていた場合もありましたが、現在はテレビ広告と同じように規制されるようになっています。
放送できる時間が無制限となっているため、本来よりも厳しい規制が適用されるケースもあります。
内容によっては、ネットで広告を公開しないなどの対応を取る会社もあります。
時間の制約がないためより厳しい制限がある
時間の制限がないため、多くの人の目に触れる可能性があるカードローンの広告は、自主的に制限されています。
放送する内容はさらに厳しいものへと変えられており、よりカードローンからかけ離れた内容は禁じられています。
また、放送する内容が不適切だった場合は、公開を差し控えるなどの対応も取らなければなりません。
こうした規制の厳しい中で、ネットでもテレビ広告と同じように宣伝を続けているのです。
カードローンの明るいイメージに惑わされないようにしよう
カードローンは明るいイメージが強いと感じるかもしれませんが、実際にはそのようなイメージはありません。
貸金業者というのは、お金を借りて返済しなければならないという義務が生じますので、利用するだけで厳しい状況に置かれるケースも多々あります。
厳しい状況に置かれないためにも、広告と実際のサービスをしっかり比較し、本当に利用してもいいのか判断しておきましょう。
同時に、サービスを利用した後、返済できる能力が自分にあるのか考えておかないと、借入に失敗して大きな問題が発生します。広告だけで判断せず、自分の返済能力をベースに考えましょう。