カードローンの利用開始には審査があり、一定の収入が必要なことは知られています。
では、具体的にはいくらの収入を得ていることが必要なのでしょうか。
実は、カードローンの審査通過の基準となる明確な収入額というのは、明らかにされていません。
また、収入額そのものよりも、安定した収入を得ているかどうかが審査において重要だとされています。
大切なのはカードローン申請の前に、一定期間は継続的に安定した収入を得ていることです。
カードローンの審査では年収額より安定性が重要
カード会社がカードローンの審査を行うということは、実際にカードローンの利用が始まった後にきちんと返済できるかどうかということを判断しているものです。
そのため、カードローンの審査においては収入証明書が必要となり、収入の安定性を確認されます。
収入の安定性とは、額にかかわらず毎月きちんと収入を受け取っているかどうか、という点において判断されます。
一時的に収入の多い月があっても、それが持続していなければ継続的に安定した返済が見込めない可能性がある、と判断され、審査においては評価されにくいのです。
たとえ収入が平均的な社会人の年収額と比較して低かったとしても、毎月一定の収入が継続的に得られている場合、毎月の返済がきちんとできるだけの収入があるという基準でカードローンの審査に通りやすいのです。
カードローンの審査基準において、収入は「額」ではなく、「安定した継続性」こそが重要視され、評価のポイントになります。
カードローンの審査基準を徹底解説!こんな人は審査に落ちる可能性大!
自営業・個人事業主は審査で不利になる
安定した収入こそがカードローン審査においてポイントになる、ということは、やはり給与制ではない自営業や個人事業主の方にとっては不利となります。
毎月安定して返済ができるのかという基準において審査が行われるため、いくら収入額が多いとしても「安定しているかどうか」という点で評価が低くなりがちです。
そのため、会社員や公務員の方が審査は有利とされています。
年収で見ると会社員の数倍、といった方でも月単位で見ると収入にばらつきがある方もいます。
また、自営業や個人事業主の方は何らかの事情で仕事ができない期間ができると、その期間が無収入になってしまうリスクを抱えている方も多いでしょう。
統計的にも、会社員や公務員よりも収入にムラがある自営業や個人事業主の方は、カードローン会社にとってリスクが高いとみなされるのです。
経営者の方だけではなく、芸能人や水商売の方も同様で、このことからカードローン会社の審査基準が「安定した収入」を基準としていることが伺えます。
カードローンの審査は無職でも通る?無職でも融資OKの条件を解説
大企業の正社員・公務員は審査で有利になる
収入額が安定していることを基準としているため、逆に圧倒的に有利と言われているのが公務員や、株式上場を行っているような大企業の会社員です。
自営業の方よりも、会社員の方の方が有利ですが、中でも大企業の会社員はカードローンの審査においてさらに有利だとされています。
会社員は収入が安定しているという点で評価されるのですが、会社自体が倒産するリスクが全くないわけではありません。
その点において、会社員の中でも「会社の倒産リスクが中小企業に比べて少ない」株式上場企業の会社員は収入額に関わらず大変有利です。
もしも、毎月の収入が平均額程度であっても、中小企業の同程度の収入を得ている会社員と比べると高額の融資を受けられることがあります。
倒産のリスクが少ない、という点において同じくらい評価が高くなるのが公務員です。
倒産のリスクという点においてはリスクがほとんどありませんので、公務員は収入に関わらずかなり高額な融資が受けられます。
中小企業でも勤続年数が長ければ審査に強い
会社員の中では、大企業の会社員に比べると少し不利な中小企業の会社員ですが、一定の条件を満たせば審査基準においての評価が高くなり、高額な融資が受けられることもあります。
その条件というのは、「同じ企業で勤続年数が長い」ということです。
勤続年数が長いということは、その企業そのものが倒産する可能性が低いと判断され、その点においてまず評価がプラスされます。
また、これは中小企業、大企業問わずですが、カードローンの審査において会社員に融資するにあたってのリスクの一つに「退職のリスク」が挙げられます。
勤務している企業によって審査基準は左右されるものの、いくら大企業であっても転職を繰り返される可能性があれば、それは一定した収入とはならないので評価に影響が出てきます。
その点、同じ企業への勤続年数が長いということは退職のリスクが低いと判断され、今後も安定した収入が見込めるため、中小企業であっても高評価となるのです。
年収によって限度額は大きく変わる
カードローンの審査を通過できるかどうか、という点においては、前述のとおり安定した収入が継続的に得られていること、が重要になります。
継続的な収入が確認でき、融資可能と判断された場合は同時に判定されているのが「融資限度額」です。
融資限度額の上限を超えて融資を受けることはできないため、これも重要なポイントです。この際に影響があるのは、「年収」とされています。
つまり、収入の額が多少低くても一定の安定した収入があれば、カードローン審査基準は満たし融資を受けることはできるのですが、収入の合計にあたる年収が低ければ低い分だけ、融資を受けられる額の限度上限額が低くなってしまうことになります。
いくら収入が継続的にあっても、年収が少ない人には多額の融資はできないというのが限度額の決定基準となるわけです。
中でも、カードローンを消費者金融に申請を行う場合は、総量規制という制度が適用されるため限度額が年収と直接的に影響します。
総量規制とは?
「総量規制」とは、貸金業法で定められた貸付契約の中で「個人向け貸付け」という種類にだけ適用される、融資限度額を定めるルールになります。
内容は「個人融資において借入額の合計が年収の3分の1を超えない様に制限する」といったものです。
つまり、年収の3分の1以上の融資を行うことは多重債務者が増え、返済が滞る可能性が高くなるため、一定のボーダーラインを決めて貸し付けを行うことを目的として作られたものです。
住宅ローン、自動車ローン、ショッピングのローンなどは除外されますが、クレジットカードなどのキャッシングも貸し付けとして総量規制の対象となります。
また、直接的に影響があるのは消費者金融の融資額ですが、本来対象外とされている銀行のカードローンにおいても、銀行融資だけ上限なく融資することに対しての批判などもあり、現在は自主規制によりやはり総量規制の額を超えての融資は行われなくなっています。
カードローンの審査で認められる収入証明書
カードローンの審査には、継続的な収入があることなどが求められるため、カードローンを申し込むとあわせて「収入証明書」の提出を求められることになります。
収入証明書、といった書面は正式にはありませんので、審査に必要とされる事柄が証明できる「収入を証明する書面の総称」ということになります。
いくつかありますので、以下に挙げておきます。
給与明細
発行した会社名と給与所得者の氏名がきちんと記載されていること、発行年月日が確認できるものであることが必要です。
直近〇か月分と指定があることもありますので、カードローン会社に確認が必要です。
また、年収は高いほど審査は有利ですから、直近の賞与が確認できるものも提出できるといいでしょう。
源泉徴収票
年に一度会社から発行されるものです。
1年間の収入が確認できるため証明書として有効です。
氏名、会社名、発行年が記入されていることを確認しましょう。
確定申告書
自営業や個人事業主の方などはこちらを提出される方が多いかもしれません。
税務署の受付印があるものが有効となります。
税額通知書
去年の年収をもとにして税額を計算して「いくら税金を徴収します」と自治体が発行する請求書のようなものです。
前年度の収入が把握できるため、証明書として利用できます。
所得証明書(課税証明書)
上記の税務通知書を紛失した場合などに、市区町村の窓口で発行できるものです、税務通知書と同じく収入をもとに税額を計算したことが確認できるので前述のいずれも用意できなかった場合は、自治体の窓口で発行してもらいましょう。
収入の低いアルバイト・パートでもカードローンは利用可能
収入を基準としてカードローンは審査が行われますが、一般的に収入が低いと言われている非正規社員でもカードローンは利用することができます。
今は、契約社員や派遣社員など働き方や雇用形態も多様になってきています。
確かに正社員である方が、前述の「退職のリスク」などの点において非正規社員に比べて有利である可能性はあります。
非正規社員は正社員よりも転職する可能性や、勤続年数が途切れる可能性が高いからです。
しかし、非正規社員でも一定期間の勤続年数があって継続的な収入が確認できれば、カードローンの審査に通ることはもちろん可能です。
これは、アルバイトやパート勤務においても同様のことが言えます。
ただ、収入額を基準とする融資限度額については、多少低くなる可能性があることは否めません。
また、カードローンの審査において求められる収入証明書ですが、「直近〇か月分のもの」といった指定がされて、提出を求められるようなこともありますので準備しておくといいでしょう。
収入のない無職はカードローンの審査には通らない
カードローンの審査については、やはり安定した収入、一定額の継続的な収入が必要です。
では、現在何らかのご事情で無職の方はカードローンの利用することはできないのでしょうか。
まず、カードローンの申し込みの際に収入証明書を求められるため、無職の人はまず原則的にはカードローン審査は通過できない、と考えたほうがよいでしょう。
一定額の収入が見込めない状況では新たな借り入れをすることは困難です。
ただ、一部例外もあります。その代表的な例は、専業主婦の方です。この場合は消費者金融のカードローンは利用できません。
総量規制があるため、個人の収入の3分の1を基準としていますので収入がない専業主婦は対象外となってしまいます。
銀行のカードローンであれば、配偶者の収入証明や同意書などが不要で申し込むことができるところもあります。
無職の場合はアルバイトでも収入は収入ですので、何かしらお仕事を始めてからのほうがカードローンの審査には通りやすくなります。
収入状況に見合わない無理な借り入れは禁物
カードローンは急な出費に困った時など、利用の仕方によっては大変便利に利用できるものです。
ただ、最近では審査も早く、手軽に借り入れができるようになった分、返済には注意が必要です。カードローンで借りた融資には高い金利がつきます。
総量規制などで融資額が年収の3分の1を超えないように貸し付ける側でも規制が行われていますが、融資を受けるご自身でも返済ができる範囲の借り入れに収めることが重要になってきます。
基準としては、毎月の総返済額が手取りの収入額の3分の1を超えると継続的な返済が難しくなってくる可能性があります。
そうならないように、安易な借り入れは行わないように十分注意して、収入状況を把握しながら便利に正しく借り入れするように心がけましょう。