教育ローンとは?奨学金との違いと注意点を解説!

教育ローンとは

「子供の学費がどうしても足りない」「授業料が思ったよりも高かった」子供の教育にはお金がかかりますよね。

そういった時に心強い味方になってくれるのが教育ローンですが、奨学金との違いをしっかり説明できる人は少ないでしょう。

このページでは「そもそも教育ローンとはなにに利用できるのか」「奨学金とは何が違うのか」を解説していきます。

また民間と国の教育ローンの比較もしていくので、そちらもチェックしておきましょう!

教育ローンとは?利用用途を解説!

教育ローンとは教育関係の費用に限定して利用できるローンのことで、金融機関によっては学費以外にも以下などの用途で利用できます。

  • 高校や大学などの受験料
  • 教科書やPCや電子辞書などの購入費
  • 子供が借りるアパートや下宿の敷金や礼金、家賃など

ただし通学のために必要になる自動車やオートバイクの購入費用・免許取得のための資金などは、教育ローンの対象には入りません。

「どういった用途に利用できるか」は教育ローンを提供する金融機関によって異なるため、しっかりと確認しておくと良いでしょう。

教育ローンとは?奨学金と何が違う?

教育ローンと奨学金は様々な点で違いがありますが、このページでは以下の点で国の教育ローンと奨学金の差異を確認していきます。

  • 借り手
  • 借り方
  • 借入限度額
  • 返済期間
  • 金利
  • 利息の発生するタイミング

詳しくは次から見ていきましょう。

教育ローンとは?借り手を奨学金と比較!

国の教育ローンと奨学金の最大の違いは借り手です。

国の教育ローンは親が借り手になり返済義務も親にありますが、奨学金は子供が借り手になり、卒業後は子供が返済しなければなりません。

昨今は奨学金の滞納が問題になっており、滞納してしまうと子供の信用情報に傷が付いてしまいます。

そのため奨学金を利用する際は、将来返済する必要があることをしっかりと子供に説明しましょう。

教育ローンとは?借り方を奨学金と比較!

国の教育ローンは借入金を一括で受け取れますが、奨学金は毎月定額を受け取ることになります。

そのためすぐに高額の費用が必要な場合は、国の教育ローンの方が向いています。

教育ローンとは?借入限度額を奨学金と比較!

国の教育ローンの限度額は最大350万円で、留学の場合は450万円まで借りることができます。

奨学金の上限は月12万円ですが、学部によっては増額が可能です。

例えば薬学部・獣医学部であれば最大14万円、医学部・歯学部であれば最大16万円まで借りることができます。

なお大学4年間で毎月奨学金を利用した場合、12万円×12ヶ月×4年=576万円になるため、借入限度額は奨学金の方が多いです。

教育ローンとは?返済期間を奨学金と比較!

国の教育ローンの返済期間は最大15年、奨学金の返済期間は最大20年です。

なお、国の教育ローンは申込み時に返済期間を選ぶことができますが、奨学金は借入額によって自動的に設定されます。

奨学金の借入額が多ければ多いほど長期間の返済が求められるため、注意しましょう。

教育ローンとは?金利を奨学金と比較!

国の教育ローンの金利は据え置きで1.70%です。

なお母子または父子家庭など一定の条件に当てはまる場合は、1.31%で利用することも可能です。

一方奨学金の金利は固定方式と見直し方式のどちらかから選ぶことができます。

場合によっては0.002%程度で利用できるため、お得さで選ぶなら奨学金と言えるでしょう。

教育ローンとは?利息の発生するタイミングを奨学金と比較!

国の教育ローンの利息は借りた翌月から発生しますが、奨学金は借入が終わってから利息が発生します。
そのため国の教育ローンを長期間借り続けるのはあまりおすすめできません。

なるべく積極的に繰り上げ返済をおこないましょう!

教育ローンとは?民間と国どっちがおすすめ?

教育ローンを提供しているのは国だけではありません。

銀行や信販会社などの民間企業も教育ローンを提供しています。

このページでは以下の点で国の教育ローンと民間の教育ローンの違いを確認していきます。

  • 申込み条件
  • 金利
  • 限度額
  • 借り方
  • 必要書類
  • 融資までの期間

詳しくは次から見ていきましょう。

国の教育ローンとは?申込み条件を民間の教育ローンと比較!

国の教育ローンでは世帯年収に上限が設定されており、上限を超えていると融資を受けることができません。

国の教育ローンの年収の上限額は以下の通りです。

子供の人数 世帯年収の上限
1人 790万円
2人 890万円
3人 990万円
4人 1090万円
5人 1190万円

一方民間の教育ローンは、世帯主の収入が安定していれば、年収額に関わらず融資が受けられます。

なお、収入が安定していると判断されるためには少なくとも以下の条件を満たしている必要があります。

  • 月々の収入に大きなバラつきがない
  • 今後も収入が得られる見込みがある
  • 連続して3ヶ月以上収入を得ている

国や民間の教育ローンを申込む前に、申込み条件を満たしているかどうか確認しておきましょう!

国の教育ローンとは?金利を民間の教育ローンと比較!

先ほど説明した通り、国の教育ローンの金利は2020年9月時点で1.70%です。

一方民間の教育ローンは2〜3%程度に設定されているケースが多いです。

民間の教育ローンの金利は金融機関によって異なりますが、国の教育ローンより低く設定されているケースは少ないでしょう。

「お得に教育ローンを利用したい!」という場合は、国の教育ローンの利用を検討しましょう。

国の教育ローンとは?限度額を民間の教育ローンと比較!

先ほど説明した通り、国の教育ローンの限度額は、子供1人につき350〜450万円です。

一方民間の教育ローンは700万円を上限に設定しているケースが多く、医学・歯学・薬学ともなれば3000万円を借りられる場合もあります。

450万円以上を借りる必要があれば、民間の教育ローンの利用を検討しましょう!

国の教育ローンとは?借り方を民間の教育ローンと比較!

先ほど説明した通り、国の教育ローンは一括での融資になりますが、民間の教育ローンは必要な額をその都度ATMから借りることができます。

そのため少額が定期的に必要になる場合は、民間の教育ローンの方が向いているでしょう。

ただし、全ての民間の教育ローンがその都度の借入に対応している訳ではないため、借入方法は事前に調べておくことをおすすめします。

国の教育ローンとは?必要書類を民間の教育ローンと比較!

国の教育ローンを申込むために必要な書類は以下の通りです。

  • 借入申込書
  • 続柄を証明できる書類(住民票の写しまたは住民票記載事項証明書など)
  • 世帯主の本人確認書類(運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど)
  • 世帯の収入証明書(源泉徴収票・確定申告書の控え)
  • 世帯の年収に関する資料(最近6ヶ月分以上の預金通帳)
  • 用途が入学資金の場合:合格通知書や入学許可証など
  • 用途が在学中の資金の場合:学生証や在学証明書

一方、民間の教育ローンを申込むために必要な書類は以下の通りです。

  • 借入申込書
  • 世帯主の本人確認書類(運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど)
  • 世帯の収入証明書(源泉徴収票・確定申告書の控え)
  • 用途が入学資金の場合:合格通知書や入学許可証など
  • 用途が在学中の資金の場合:学生証や在学証明書

国の教育ローンは金利が低い分、提出が必要になる書類が多いです。

利用する際はしっかりと確認の上、申込みましょう!

国の教育ローンとは?融資までの期間を民間の教育ローンと比較!

国の教育ローンでは審査に10日前後かかり、実際に融資を受けるまでさらに10日前後かかります。

一方民間の教育ローンは審査結果が最短即日で通知され、5〜10日ほどで実際に融資を受けることができます。

そのため、すぐに資金が必要な場合は民間の教育ローンを検討しましょう!

教育ローンとは?審査基準を解説!

教育ローンの申込み条件は説明した通りですが、条件さえ満たしていれば誰でも融資が受けられる訳ではありません。

教育ローンの審査では収入の安定性以外にも、以下の2点をチェックされます。

  • 世帯主の信用情報に傷がないか
  • 世帯の他社借入が多くないか

詳しくは次から見ていきましょう。

教育ローンとは?審査では世帯主の信用情報がチェックされる!

教育ローンの審査では世帯主の信用情報がチェックされます。

そのため過去に以下などの金融事故を起こしていると、教育ローンの審査に落ちる可能性が高いです。

  • クレジットカードの支払い延滞
  • カードローンの返済の遅れ
  • カードの強制解約
  • 携帯電話料金の滞納
  • 保証会社経由の家賃滞納
  • 保証会社などの代位弁済
  • 奨学金の返済滞納
  • 連帯保証人の返済滞納
  • 任意整理などの債務整理

ただし信用情報には保存機関が設定されているため、金融事故の解消から一定期間が経過していれば、金融事故情報は消えています。

上記の金融事故に心当たりのある場合は、教育ローンの審査を申込む前に、信用情報を確認しましょう!

教育ローンとは?世帯主の信用情報を確認しよう!

日本では以下の機関が信用情報を保管しており、信用情報は機関へ照会を依頼することで確認できます。

  • CIC(指定信用情報機関)
  • JICC(日本信用情報機構)
  • KSC(全国銀行個人信用情報センター)

なお金融機関によっては全ての機関の信用情報を元に審査をおこなっているため、可能であれば3機関全ての信用情報を確認することをおすすめします。

各機関ごとの信用情報の確認方法は以下の通りです。

CICの信用情報の照会方法

CICの信用情報の照会方法は以下の通りです。

  1. ①CICにクレジット契約で利用した電話番号から電話を掛ける
  2. ②受付番号を控える
  3. ③クレジットカードで照会費用(1件につき1000円)を払う
  4. ④受付番号を入力
  5. ⑤WEBで信用情報を確認する

上記の通りCICの信用情報を確認するためには、クレジット契約に使用した電話番号が必要です。

そのため契約時から電話番号が変わっている場合は、郵送や窓口から照会を依頼しましょう。

なお、①〜⑤までの手続きは全て1時間以内におこなう必要があります。

なるべく時間のある時に照会手続きをおこないましょう!

JICCの信用情報の照会方法

JICCの信用情報の照会方法は以下の通りです。

  1. ①「スマートフォン開示受付サービス」のアプリをダウンロード
  2. ②アプリからメールを送信
  3. ③パスワードを入力
  4. ④氏名・生年月日・住所・電話番号を入力
  5. ⑤本人確認書類を送信
  6. ⑥開示手数料の支払い
  7. ⑦郵送される照会結果の確認

なお上記の通りJICCの場合は信用情報の照会をインターネットで申込むと、照会結果の到着を待つ必要があります。

早くJICCの信用情報を確認したい場合は、JICCの窓口で直接申請しましょう。

KSCの信用情報の照会方法

KSCはWEBや来店での照会に対応しておらず、郵送のみの対応になります。

以下の3点を信用情報センターに送付して信用情報を取り寄せましょう。

  • 開示請求申込書(KSCの公式サイトよりダウンロード可能)
  • 定額小為替証書1000円分(郵便局にて購入可能)
  • 本人確認資料(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)

なお、送付先は以下のとおりです。

〒100-0005
東京都千代田区丸の内2-5-1
一般社団法人全国銀行協会
全国銀行個人信用情報センター

教育ローンとは?審査では世帯の他社借入がチェックされる!

教育ローンの審査では他社の借入状況がチェックされます。

教育ローンは総量規制(年収の3分の1以上の融資を禁止する法律)の対象外ですが、既に年収の30〜40%の融資を受けていると審査に通りづらいです。

教育ローンの審査を申込む際には、世帯の年収と他社借入を確認しておきましょう!

奨学金と国の教育ローン・民間の教育ローンでシミュレーションしよう!

このページでは奨学金・国の教育ローン・民間の教育ローンについて解説してきました。

それぞれメリットデメリットはありますが、数百万円規模の高額借入になるのは変わりません。

そのため、日本政策金融公庫や日本学生支援機構のサイトなどでしっかりと借入額のシミュレーションを受けておきましょう!

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