ファクタリングの仕組みと方法・種類を徹底解説!

ファクタリングの仕組み

会社を経営する上でどうしても資金が足りない時はありますよね。

そういった時に強い味方になるのがファクタリングです。

このページではファクタリングの仕組みや方法、種類などについて詳しく解説していきます。

また、融資との違いも併せて説明するのでそちらも参考にしてください。

コロナ拡大で利用者が増えている給料ファクタリングには闇金並みの高利息リスクが!注意点を徹底解説

ファクタリングの仕組み

ファクタリングとは、売掛債権を現金化することです。

【売掛債権とは】
企業の営業活動でまだ受け取っていないお金のこと

例えば業務用冷蔵庫を販売している企業Aと冷蔵庫を購入した飲食店Bがいたとします。

商取引では製品の引き渡しと金銭の受け取りのタイミングはずれることが多いため、Aは冷蔵庫を販売したがまだ金銭を受け取っていないという状況は珍しくありません。

つまりAはBに対して売掛債権を持っていることになりますが、この売掛債権自体を第3者に売ってお金にするのがファクタリングです。

ファクタリングの方法

ファクタリングの方法としては大きく以下の2つに分けることができます。

  • 2社間ファクタリング
  • 3社間ファクタリング

違いや流れなどについては次から見ていきましょう。

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングとは、売掛債権を持っている会社とファクタリング会社の2社でおこなうファクタリングのことです。

2社間ファクタリングの流れは以下の通りです。

  1. 売掛債権をファクタリング会社に売る
  2. ファクタリング会社から代金を受け取る
  3. 取引先から売掛金を受け取る
  4. 売掛金をファクタリング会社に支払う

2社間ファクタリングのメリット・デメリットは次から見ていきましょう。

2社間ファクタリングのメリット・デメリット

2社間ファクタリングのメリットとしては、以下などが挙げられます。

  • 取引先にファクタリングがバレない
  • 現金化がスピーディー
  • 利用のハードルが低い

一方、2社間ファクタリングのデメリットとしては、以下などを挙げることができます。

  • 手数料が高い
  • 中小ファクタリング会社を利用する必要がある

3社間ファクタリング

3社間ファクタリングとは、売掛債権を持っている会社・取引先・ファクタリング会社の2社でおこなうファクタリングのことです。

3社間ファクタリングの流れは以下の通りです。

  1. 売掛債権をファクタリング会社に売る
  2. ファクタリング会社から代金を受け取る
  3. 取引先がファクタリング会社に売掛金を支払う

3社間ファクタリングのメリット・デメリットは次から見ていきましょう。

3社間ファクタリングのメリット・デメリット

3社間ファクタリングのメリットとしては、以下などが挙げられます。

  • 手数料が比較的低い
  • 大手ファクタリング会社を利用できる
  • 売掛金を回収する手間が省ける

一方、3社間ファクタリングのデメリットとしては、以下などを挙げることができます。

  • 取引先の合意が必要
  • 現金化に時間がかかる
  • 審査がやや厳しくなる

ファクタリングの種類

ファクタリングの種類としては以下などが挙げられます。

  • 買取型
  • 保証型
  • 一括型
  • 国際型
  • 医療型
  • 将来債権型
  • 給与型

詳しくは次から見ていきましょう。

買取型

買取型はその名前の通り売掛債権を買い取ることでおこなわれるファクタリングのことで「ファクタリングの仕組み」で解説したのはこのタイプに該当します。

一般的にファクタリングと言えば買取型を指します。

保証型

保証型とは売掛金の支払いをファクタリング会社が保証するタイプのファクタリングのことで、買取型が資金調達を目的に利用されるに対し、保証型は倒産などで売掛債権が回収できなくなるリスクを回避するために利用されます。

また与信調査をファクタリング会社がおこなってくれるのも保証ファクタリングのメリットだと言えるでしょう。

一括型

一括型は支払手形の代わりに一括で決済するタイプのファクタリング です。

支払手形の発行にかかる印紙代などの諸費用をカットできるのが魅力的ですが、一括ファクタリングは原則3社間での取引になります。

一括ファクタリングを利用する際はメリットとデメリットをよく比較することをおすすめします。

国際型

国際型は海外企業との取引で発生した売掛金を現金化する際に利用されるファクタリングです。

国際型は通常の3社に加えて現地のファクタリング会社も介在するため、4社間ファクタリングとも言えます。

国際型を利用する際は現地ファクタリング会社の手数料なども併せてチェックしておきましょう!

医療型

医療型とは診療報酬債権を現金化するファクタリングのことで、通常なら受け取りに2〜3ヶ月かかる診療報酬を最短即日受け取ることができます。

医療ファクタリングはさらに以下の3つに分類することができます。

  • 診療報酬ファクタリング
  • 介護報酬ファクタリング
  • 調剤報酬ファクタリング

また医療ファクタリングも原則3社間の取引になることを覚えておきましょう。

将来債権型

原則ファクタリングはすでに発生している売掛債権のみを現金化の対象にしていますが、将来債権型は今後発生するであろう売掛債権も現金化できるのが特徴です。

しかしまだ確定していない売掛債権を扱う都合上、通常のファクタリングと比べて審査が厳しい傾向にある点は注意しましょう。

給与型

給与型はまだ受け取っていない給料を売掛債権として現金化するファクタリングのことです。

しかし給料ファクタリングの手数料は15〜20%と高く「法定利率を大幅に超える闇金ではないか」といった批判が多くされています。

事実高等裁判所では、給料ファクタリングは違法な貸金業法であるとの判決が出ています。

そのため給料ファクタリングが今後利用できなくなる可能性は高いでしょう。

ファクタリングのメリット

ファクタリングのメリットとしては、以下などが挙げられます。

  • 返済する必要がない
  • 代表者の信用情報に傷があっても利用できる
  • 即日資金調達が可能

詳しくは次から見ていきましょう。

返済する必要がない

最初に説明した通り、ファクタリングは会社の売掛債権を売買することで資金を調達する方法です。

そのため、融資を受けている訳ではなく、返済の必要もありません。

会社の経理をよりシンプルにしたいという場合は、融資ではなくファクタリングを検討しましょう!

代表者の信用情報に傷があっても利用できる

銀行の審査では代表者の信用情報がチェックされるため、過去に代表者が以下などの金融事故を起こしていると、融資を受けることができません。

  • クレジットカードの支払い延滞
  • カードローンの返済の遅れ
  • カードの強制解約
  • 携帯電話料金の滞納
  • 保証会社経由の家賃滞納
  • 保証会社などの代位弁済
  • 奨学金の返済滞納
  • 連帯保証人の返済滞納

一方ファクタリングは売掛債権さえ確かであれば、代表者の信用情報に傷があったとしても資金調達が可能です。

上記の金融事故に心当たりのある場合は、融資よりもファクタリングを検討しましょう!

信用情報の傷は一定期間で消える

企業の代表者が金融事故を起こしていると銀行の審査に通らないことは説明した通りですが、信用情報には保存期間が設定されているため、金融事故の解消から一定期間が経過していれば信用情報の傷が消えている可能性があります。

そのため、先ほど挙げた金融事故に心当たりのある場合は、この機会に信用情報を確認することをおすすめします。

信用情報は個人信用情報機関が管理しており、Webなどで照会を依頼することで確認できます。

なお機関ごとに信用情報の記載方法や提携している金融機関が異なるため、可能であれば全ての機関の信用情報を確認することをおすすめします。

機関ごとの照会方法は以下の通りです。

CICの信用情報の照会方法

CICの信用情報の照会方法は以下の通りです。

  1. ①CICにクレジット契約で利用した電話番号から電話を掛ける
  2. ②受付番号を控える
  3. ③クレジットカードで照会費用(1件につき1000円)を払う
  4. ④受付番号を入力
  5. ⑤WEBで信用情報を確認する

なお、①〜⑤までの手続きは全て1時間以内におこなう必要があります。

そのため時間のある時にCICの信用情報を確認しましょう!

JICCの信用情報の照会方法

JICCの信用情報の照会方法は以下の通りです。

  1. ①「スマートフォン開示受付サービス」のアプリをダウンロード
  2. ②アプリからメールを送信
  3. ③パスワードを入力
  4. ④氏名・生年月日・住所・電話番号を入力
  5. ⑤本人確認書類を送信
  6. ⑥開示手数料の支払い
  7. ⑦郵送される照会結果の確認

なお上記の通りJICCの場合は信用情報の照会をインターネットで申込むと、照会結果の到着を待つ必要があります。

早くJICCの信用情報を確認したい場合は、JICCの窓口で直接申請しましょう。

KSCの信用情報の照会方法

KSCはWEBや来店での照会に対応しておらず、郵送のみの対応になります。

以下の3点を信用情報センターに送付して信用情報を取り寄せましょう。

  • 開示請求申込書(KSCの公式サイトよりダウンロード可能)
  • 定額小為替証書1000円分(郵便局にて購入可能)
  • 本人確認資料(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)

なお、送付先は以下のとおりです。

〒100-0005
東京都千代田区丸の内2-5-1
一般社団法人全国銀行協会
全国銀行個人信用情報センター

即日資金調達が可能

2018年より銀行は反社会的組織への融資を防止するために、申込み企業を警察庁のデータベースで照会してから本審査をおこなうようになりました。

データベース照会には早くとも1営業日以上がかかるため、現在は銀行から即日融資を受けることはできません。

一方、ファクタリングであれば即日の資金調達が可能です。

どうしても今日中にお金を用意する必要があれば、融資よりもファクタリングを検討しましょう!

消費者金融系カードローンなら即日融資が可能!

銀行では即日融資が受けられないことは説明した通りですが、消費者金融を利用すれば今日中にお金を借りることが可能です。

売掛債権がなく、今日中にお金を用意する必要があれば、消費者金融系カードローンを利用しましょう。

「消費者金融なんて信用できない!」と考える人も多いですが大抵の消費者金融は銀行の系列グループであり、昨今は法律やコンプライアンスの整備も進んでいるため、銀行と同じ感覚で利用できます。

なお消費者金融系カードローンを利用するメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
即日融資が受けられる 限度額が300万円程度と低め
ATMから融資が受けられる 金利は銀行よりも高い

ファクタリングのデメリット

ファクタリングのデメリットとしては、以下などが挙げられます。

  • 長期間の借入には向いていない
  • 3社間ファクタリングは取引に影響が出る
  • 違法業者も存在する

詳しくは次から見ていきましょう。

長期間の借入には向いていない

ファクタリングは手軽かつスピーディーな資金調達方法ですが、利用するためにはそもそも売掛債権が必要であり、利用する度に手数料が発生します。

銀行のビジネスローンの金利は数%〜10%程度が相場ですが、ファクタリングの手数料を年率に直すと60〜500%にもなります。

つまり、ファクタリングは長期的・継続的な利用には向いていません。

ファクタリングを利用する際は、緊急時の単発利用に留めておきましょう!

3社間ファクタリングは取引に影響が出る

3社間ファクタリングは手数料が抑えられるというメリットがありますが、取引先に売掛債権の売買の通知が届きます。

そのため取引先から「資金調達に困っている」と判断され、今後の取引に影響が出る可能性があります。

今後も継続して取引をおこないたい企業の債権は、2社間ファクタリングで現金化しましょう!

悪徳業者も存在する

ファクタリングは海外ではメジャーな資金調達方法ですが、日本ではいまだに普及しておらず、法整備が完全には追いついていません。

そのため、ファクタリング業者の中には以下などの特徴を持つ悪徳業者も少なからず存在しているおり、ファクタリング業者選びには細心の注意が必要です。

  • 相場を大きく超える手数料を取る(初回で30%以上など)
  • 手数料を明確にしない
  • 説明した手数料以上を請求する
  • 契約書を作成しない

ファクタリングは手軽かつスピーディーな資金調達方法!仕組みを理解して利用しよう!

このページでは、ファクタリングの仕組みや方法、種類などを解説してきました。

ファクタリングは銀行融資よりも手軽に早く資金を調達できますが、手数料は高く繰り返しの利用には向いていません。

しっかりとファクタリングの仕組みやメリットデメリットを把握した上で、利用しましょう!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする