進学の悩みと言うと子供にとっては希望する学校に進学できる学力が身についているかどうかが一番ですが、親にしてみれば進学させるための費用を工面することが大問題になることもあるでしょう。
そんな時に強い味方になるのが教育ローンです。
国の教育ローンもありますが、銀行の教育ローンは国の教育ローンでカバーできない部分を補助してくれます。
メガバンクのみずほ銀行がどんな制度を準備してくれているのか見てみましょう。
教育ローンの審査基準は甘い?厳しい?どこに申し込むと通りやすい?
みずほ銀行教育ローンの基本情報
申し込み資格 | 以下の条件をすべて満たす人
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資金の使い道 | 教育関連資金・他の金融機関などの教育ローンの借り換え資金 |
借入金額 | 10万円以上300万円以内(1万円単位)年収などによる制限あり |
借入期間 | 6ヵ月以上10年以内(1か月単位)据え置き期間の設定可能 |
担保・保証人 | 不要(保証会社による保証) |
保証料 | 不要 |
返済方法 | 毎月元利均等返済(ボーナス時増額返済可能) |
金利 | 変動金利方式・固定金利方式から申し込み時に選択、途中変更不可 |
手数料 | 印紙代等諸費用は借主が別途負担 |
国の教育ローンに落ちた方でも申し込める!
日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)は、金利が銀行の物より安いので人気がありますが、上限所得制限があるため一定以上の所得がある世帯は申し込みができません。
例えば、子供が1人だと世帯合わせての税込年収が790万円を超えている場合、原則として申し込めないのです。
それに対して、みずほ銀行の教育ローンに所得の上限による制限はありません。
むしろ所得は多ければ多いほど歓迎されるでしょう。
ただし、国の教育ローンの審査に落ちた理由によっては、みずほ銀行の教育ローンでも審査に通らないことはあり得ます。
それは返済能力に問題があると判断された場合や、過去の金融事故が理由で審査落ちした場合などです。
教育ローンのおすすめは国と銀行どっち?金利・限度額・審査難易度を比較
みずほ銀行教育ローンの審査は甘い?厳しい?
金利が非常に高くなる代わりに資金の使途が自由なフリーローンやカードローンなどに比べると、多少は審査が厳しくなると考えて差し支えないでしょうが、使途がはっきりしている目的ローンの中では特に審査が厳しいと言うことはありません。
一方、教育ローンとは言っても民間の融資制度ですから、国の教育ローンや奨学金のように返済能力以外の部分で評価されることはないので、審査が甘くなることは決して期待できません。
単純に言えば最高で300万円の融資が受けられるものですから、それに見合うだけの審査の厳しさがあると考えた方が良いでしょう。
審査基準は返済能力と過去の金融事故の有無が中心になります。
民間の教育ローンとしては平均的な審査難易度
銀行を中心とした金融機関は多くの会社が教育ローンを取り扱っています。
銀行などの金融機関の場合個別の審査基準がありますが、おおむねどこも似通った基準を持っています。
また、民間の信用保証機関に保証業務を依頼していて、審査自体を保証会社に一任している銀行も多いようです。
そうしたことを合わせて考えると、だいたいどこも同じような審査の厳しさになってきますし、それはこのみずほ銀行でも変わりません。
過去の取引実績によって優遇される部分はありますが、それは審査が甘くなるという形ではなく、金利の優遇などで行われるでしょう。
保証会社はオリエントコーポレーション
みずほ銀行教育ローンには担保や保証人が必要ありません。
保証はオリエントコーポレーションが行いますし、保証料は金利の中に含まれています。
オリエントコーポレーションと言えば、よく知られている通りクレジットカードやカードローン、自動車ローンで有名な大手信販会社です。
一方オリエントコーポレーションは、銀行などの個人向け融資を対象としたリテール部門の保証業務を行う、日本でもトップクラスの会社と言う顔も持っているのです。
クレジットカードや信販業務で培った審査のノウハウは、銀行などが行う個人向け融資の審査にも活かされています。
みずほ銀行教育ローンの審査で見られるポイント
審査でチェックされるポイントは、返済に滞りが出ないかどうかと言うことが最も大きなものになります。
十分な収入があるかとか、過去に金融事故を起こしていないかとか、教育ローンと偽って他の目的に使わないかとかと言った部分が厳しくチェックされます。
一方で、みずほ銀行のお得意様ではないかと言う部分も意外にしっかり見られているのです。
例えばみずほ銀行で証書貸付ローンを利用しているとか、かつて利用していたとかの場合、教育ローンの金利が0.1%優遇されます。
また、みずほ銀行で住宅ローンを利用中か完済した人の場合、教育ローンより金利が安く上限融資額が1,000万円まである多目的ローンが案内されると言った優遇措置があるのです。
つまり大きなポイントは2つで、返済能力と取引実績が見られていると言うことになります。
余裕で返済できるほどの収入があるか
みずほ銀行は銀行であって貸金業法に定める貸金業者ではありませんから、みずほ銀行の行う個人向け融資には貸金業法による総量規制は適用されません。
つまり年収の3分の1を超える融資が行われても、法には触れないのです。
だからと言って収入がチェックされないと言うことではありません。
原則としてこの教育ローンと、カードローンなどを含む他の無担保借入金との合計が、前年度税込年収の50%以内になる範囲でしか借り入れができなくなっています。
税込年収300万円の人が、すでにカードローンなどで総量規制一杯の100万円の枠を持っていた場合でも、年収の50%である150万円との差額の50万円までならこの教育ローンに申し込めると言うことです。
信用情報にキズがついていないか
信用情報については厳しくチェックされるでしょう。
みずほ銀行は全国銀行個人信用情報センターの会員ですから、そこから信用情報の詳細をチェックできます。
保証会社のオリエントコーポレーションは、株式会社シー・アイ・シー(CIC)と契約しています。
ですので、その2社から個人信用情報が集められますし、金融事故になっていた場合には貸金業者系の株式会社日本信用情報機構(JICC)からも情報が共有されます。
個人向けの信用情報を扱う指定信用情報機関はこの3社しかありませんので、すべての信用情報がチェックされると考えておいた方が確実です。
特にクレジットカード系のCICは、クレジットカードや信販などの利用状況が、毎月の入金情報として記録されています。
クレジットカードの支払いはもちろん、例えばスマホを分割払いで買って電話料金と一緒に引き落としている場合などに注意です。
うっかり電話料金の引き落とし口座で残高不足を起こし、コンビニ用の払い込み用紙が送られてきたりした場合には、CICの情報に「客都合で入金がなかった」と言うマークが記録されます。
コンビニですぐに払い込めば、いわゆるブラックリスト扱いになる金融事故にはなりませんが、入金遅れがあった事実は24か月間残ります。
2年間で1回ぐらいのレベルであれば、それが即審査落ちにつながるとは断言できませんが、それでも信用情報の傷には変わりありませんので、十分注意しておいて下さい。
借入目的はハッキリしているか
教育ローンはいわゆる目的ローンですから金利が安いうえ、銀行ローンですから総量規制にも引っかかりません。
そのため、目的を偽って借り入れを行おうとする人もいるでしょう。
目的外使用を防ぐため、教育ローンの審査に通った場合、みずほ銀行は返済用預金口座に指定された口座に資金を入金します。
そしてその口座から大学などの支払先に直接振込みを行わなくてはならなくなっているのです。
また、教科書などの費用としては事前に明細を提出することで、50万円までは借主が自分で引き出して支払いに充てることができます。
さらに、教育ローンの実施前に学費などを支払っていた場合は、その領収証や納付書控えを銀行に提出することで、支払後1か月以内の物についてのみ利用できます。
信頼できるステータスか
借主の属性が良くない場合審査に通らないこともあります。
フリーランスなどで、絶対額は条件を満たしていたとしても、収入パターンが非常に不安定であったりする場合には評価が下がります。
また自営業で営業年数が短い場合や、会社員でも勤務年数が条件ぎりぎりの場合も厳しくなるでしょう。
さらに現在の住所地への居住年数が短いことも不利になる条件の一つです。
教育ローンに限った話ではなく、一般的な借り入れの審査では、持ち家から賃貸への引越しがあった場合も不利な評価になることがあります。
みずほ銀行教育ローンの返済方法を徹底解説!
みずほ銀行教育ローンの返済方法はシンプルです。
基本的には毎月一定額を毎月同じ日に口座から引き落としてもらうだけです。
資金に余裕ができるボーナス月は増額返済することで、毎月の負担を軽くすることも可能です。
一方、臨時収入があったからと言って随時増額返済するというシステムはありません。
また、残金を全額一括返済できるかどうかについては、銀行に相談してみるしかありません。
これも公開された返済方法としては準備されていませんし、もしできたとしても全額繰り上げ返済が可能な他行の例を見ると、5千円程度の手数料が発生する可能性があります。
返済は口座から自動引き落とし!返済日は自由に決められる
返済は最初に指定したみずほ銀行の普通預金口座から自動引き落としで行います。
この教育ローンのメリットの一つが、引落日を自由に設定できることです。
最初に毎月何日に引き落とすのかを設定しておけば、毎月その日に引き落としが行われます。
ですから、毎月お金が入ってくる日の直後にそれを指定しておきましょう。
25日にお金が入ってくる場合27日から翌月5日ぐらいの間、月末に入ってくる場合は翌月3日から10日くらいを指定しておくと確実です。
但し、連休などが絡む時には十分注意しておいて下さい。
令和元年の退位・即位がからんだゴールデンウィークのような超大型連休では、思わぬトラブルが起こることも想定されます。
返済開始時期は最大5年遅らせることができます。大学在学中の4年プラス1年の間は金利のみを支払い、元本は10年に対する残りの期間で支払う方式も選べます。
もちろん、元本支払期間中にも金利が発生することに注意しておいて下さい。
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返済方法は毎月元利均等返済
返済方法は元利均等払いです。
つまり、毎月の返済金額を固定しておいてその中で元金と利息を振り分ける方法です。
固定金利の場合少し割高な利率ですが契約時の利率が完済までの期間ずっと維持されます。
変動金利の場合、毎年4月1日と10月1日の年2回見直しが行われ、その翌々月の約定返済日の翌日から適用されます。
変動幅は短期プライムレート連動長期貸出金利の変動幅と同じになります。
2019年7月現在、固定金利方式では年4.050%、変動金利では年3.475%の金利水準となっています。
ボーナス時に増額して支払う方式の場合は、毎月の返済額の倍数(小数点以下一桁まで指定可能、1.5か月や2.7か月など)をあらかじめ登録しておくことになります。
みずほ銀行教育ローンの返済をシミュレーション
実際にみずほ銀行教育ローンを利用した場合、毎月の返済額がどのようになるのかを見てみましょう。
みずほ銀行教育ローンの公式サイトにあるシミュレーターを使って計算を行いました。
毎月約定返済だけをした場合
変動金利(年3.475%)・借入額100万円・返済期間2年0か月の場合を想定して計算します。
ボーナス月の増額は行いません。この場合、毎月の返済額は43,191円 になります。
期間中の総支払額は1,036,584円で、金利負担は36,584円となります。
この金利水準がどのくらい安いのかは、カードローンと比べてみるとよくわかります。
カードローンでかなり安い部類の年12.0%の金利で同じ支払い方をした場合、毎月の返済額は47,073円、総支払額は1,129,752円で、金利負担が129,752円と全期間合計で93,168円も多くなります。
返済期間を変更すると当然内容も変わってきます。
半分の1年で返済した場合、毎月84,910円で合計は1,018,920円、つまり金利負担は18,910円で済みます。
一方、3年に期間を延ばした場合、毎月29,290円で合計は1,054,440円、金利負担は54,440円になります。
また期間は2年のまま固定金利(年4.050%)を指定すると、毎月43,447円で合計は1,042,728円、金利負担は42,728円と変動金利より6,180円高くなります。
しかしこれは金利が上がらなかった場合で、もし借入期間中に大きく基準金利が上がった場合は固定金利の方がお得になることもあります。
繰り上げ返済をした場合
上記と同様、変動金利(年3.475%)・借入額100万円・返済期間2年0か月の場合で、ボーナス月には普段の2倍の返済を行ったケースを見てみます。
この場合、毎月の返済額は37,041円、ボーナス月の返済額は74,082円になります。
期間中の総支払額は1,037,092円で、金利負担は37,092円となります。
この数値を見るとボーナス月の増額返済を行っていない時より返済額が増えてしまっています。
これはみずほ銀行のシミュレーションが6月と12月をボーナス月としていて、この計算を7月に行ったのが原因です。
ボーナス月の増額返済を行っているため、毎月の支払額は当然減ることになります。
7月から11月の間は返済金額が少なくなっているため、金利が多くかかっているのです。
いわばボーナス月の増額返済によって繰り上げではなく繰り下げ返済をしていると言うことなのです。
しかし、金利の差は微々たるものなので通常月の支払い負担を減らすという意味で、ボーナス月の増額支払いは有効になります。
一方、自営業などでボーナスが期待できない場合には増額支払いを行わなければ良いのです。
繰り上げ返済を駆使してみずほ銀行教育ローンをお得に使おう
実際に教育ローンを利用するのは入学手続きが始まる毎年1月から3月にかけてが多いでしょう。
つまり、1月から3月くらいにはお金が必要になると言うことです。
仮に1月に借り入れを行ってボーナス払いを利用した場合、上のシミュレーションと同じように事実上の繰り下げ払いになってしまいます。
そこで、前年の11月か12月に前倒しで教育ローンの申し込みを行い、1回目の支払いがボーナス増額月になるように調整すれば、本当の繰り上げ払いになるため金利負担はわずかでも減ります。
あるいは上で示したように、ボーナス月増額払いは通常月の負担を減らすためと割り切って利用するというのも便利な使い方の一つです。