カードローンを使えば最短即日でお金を借りられますが、いくらでも自由に借りられるわけではありません。
カードローンで借り入れられる金額には、一定のルールに従った条件があります。
また、申込時に借りられる限度額よりも多く借入れたい場合は、申込後に限度額を増額することも可能です。
そこで今回は、カードローンを使って融資を受ける際の限度額について詳しく確認していきましょう。
限度額は収入などの条件に加えて、増額審査に通りやすくするためのポイントがあります。カードローンの利用方法に気を付ければ、限度額をスムーズに増額することが可能です。
これからカードローンの利用を検討している方はぜひ参考にしてください。
カードローン限度額の目安は年収の3分の1
カードローンで借入できる限度額は収入によって異なり、目安は年収の3分の1となっています。
たとえば、年収が300万円の人が融資を受ける場合には、最大で100万円までの借入が可能です。
もし、100万円以上の借入額になってしまうときには、その時借りている分の融資額をある程度返済してからでないと、新たな融資を受けることはできません。
借りられる融資額が年収の3分の1までに制限されるというルールは貸金業法という法律によって定められていて、消費者金融はこの限度を超えて融資を行うことを禁止されています。
総量規制と呼ばれるこのルールは、かつて金利が非常に高く設定されていた時代に、借りたお金が返せず自己破産してしまう利用者が増えたことをきっかけに設定されました。
2017年からは銀行カードローンも3分の1以上の借入は不可
2017年からは、銀行カードローンであっても年収の3分の1以上の融資を行わないような流れになっています。
実は、貸金業法で定められている総量規制というルールは、消費者金融を対象にして定められたもので、銀行カードローンは対象外となっていました。
しかし、2017年からは銀行カードローンも「自主規制」という形で、借入れられる限度額を設定しています。
こちらも、カードローンの利用者が返済能力以上にお金を借りすぎてしまい、返せなくなってしまうのを防ぐ目的です。
特に、銀行の場合は消費者金融よりも信用を大切にしています。そのため、利用者から自己破産者や債務整理者が出てしまわないように、融資の限度額を抑えているのです。
カードローンの限度額は審査によって変動する!限度額の上限を上げるには?
ひとりひとりのカードローン限度額は何で決められる?
次に、カードローンを使って借り入れられる限度額は何によって決められているかについて解説します。
年収の3分の1が借入の上限金額となっていますが、誰もが年収の3分の1の金額を借り入れられるわけではありません。
むしろ、年収の3分の1という制限ギリギリまで借りられるのは、一部の優良なカードローン利用者だけになります。多くの場合は、より低い限度額からスタートするのが一般的です。
また、カードローンの利用限度額は申込者によってバラバラで、申込時に行われる審査や、その後の利用状況に応じた審査によって決定されます。
限度額を決めるためにチェックされている主なポイントは以下の3つです。
収入
カードローンの利用限度額を決める際にチェックされている項目の1つ目は、申込者の年収です。
年収が高い人ほど、カードローンを申し込んだ際の利用限度額も高くなる傾向があります。
借りられる上限の金額が年収の3分の1で設定されるため、年収が300万円の人は上限が100万円になるところ、年収が600万円の人であれば借入限度額は200万円が上限です。
なお、金融機関は申込者の返済能力を審査する際に、収入と借入金額のバランスを重視しています。
収入に対して借入金額の割合が少ないほど、きちんと返済できる可能性が高いというのが、金融機関側の考え方です。
そのため、収入が高い申込者であれば、利用限度額も高くなる傾向があります。
職業・職種
カードローンの利用限度額を決める際にチェックされている2つ目の項目は、申込者の職業・職種です。
安定して収入が得られると判断されやすい職業には、公務員や大企業のサラリーマンなどが挙げられます。
反対に、無職の方の場合はカードローンの審査に合格すること自体が難しいです。
パートやアルバイトの方の場合は、収入がそれほど多くないため、利用できる限度額も少なめに抑えられる傾向があります。
公務員や大企業のサラリーマンの場合、ボーナスの金額が大きいことや、急に退職するリスクが少ないことなどから、返済能力が高いと判断されやすいです。
また、万が一退職することになった場合でも、一定の退職金が見込めるため、借入できる限度額も多くなります。
信用情報
カードローンの利用限度額を決める際にチェックされている項目の3つ目は、申込者の信用情報です。
信用情報とは、これまでに融資を受けた際にきちんと返済期日を守っていたか、またクレジットカードや公共料金の支払いに滞りがないかどうかなどをまとめたデータになります。
なお、自分自身の信用情報は「信用情報データベース」という機関に問い合わせることでチェック可能です。このデータの中には、収入の情報や勤務先、住宅情報などの個人情報も含まれます。
もし、過去にクレジットカードの未払いがあった方や、公共料金の支払いを滞納してしまった経験がある方は、融資を受けられる限度額が少なくなってしまう可能性があることに注意してください。
フリーター・アルバイトのカードローン限度額は低めに設定
フリーターの方やアルバイトの方がカードローンを利用する際には、限度額が低めに設定されることが多いです。
金融機関がカードローン申込者の審査を行う際には、職業を必ずチェックします。
この時、フリーターやアルバイトの人の場合は収入の安定性が低いと判断されるため、融資の限度額も少なくなりがちです。
フリーターやアルバイトの場合、正社員と違って賞与がありません。そのため、収入金額が正社員の方と比べると低く、結果的に借入限度額も制限されてしまいます。
また、仕事を辞めた時の退職金も見込めないことも、フリーターやアルバイトの方の限度額が少なくなる理由の1つです。
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収入が平均より高くても50万円以上は難しい
ただし、フリーターやアルバイトの方であっても、職業や能力によっては正社員の人以上の収入を得ている場合があるでしょう。
このような場合でも、金融機関で借り入れられる限度額は50万円が限界と見込んでおいた方が無難です。
というのも、金融機関が審査を行う際には、毎月の収入額そのものと同時に、その収入が継続的に入ってくるかどうかを重視しています。
そのため、フリーターやアルバイトという雇用形態である以上は、収入の安定性を担保するものがないことから、限度額を低く抑えられてしまうのです。
学生のカードローン限度額は10万円未満が一般的
学生の方でもカードローンを利用することができますが、借入れられる限度額は10万円未満までが一般的です。
また、カードローンによっては学生の方は申込審査に通らない場合もあります。
学生による申し込みの可否については、各金融機関のWebサイトなどで明記されている場合が多いです。もし、学生の内にカードローンの利用を検討している場合は、借入先の金融機関に審査を申し込む段階で、学生の利用が可能かどうかを確認するようにしましょう。
また、学生の場合、運転免許証の取得や旅行などでまとまったお金が必要になる場合があります。
こうした時、カードローンの融資で工面できるお金は最大でも10万円までになることに注意してください。
バイト収入があっても社会的な評価が低いので注意
学生の方でバイト収入があったとしても、カードローン利用における審査では評価が低くなります。
学生の場合、学業に割くべき時間があることや、在学中は必ず学費の支払いがあることなどから、返済能力が低いと判断される場合がほとんどです。
プログラマーなど、学生の内からアルバイトスタッフとして正社員並みの収入を得ている人も最近では少なくありません。
しかし、いかに高額なバイト収入を得ている場合でも、学生の内にカードローンを利用する場合には利用限度額が少なく抑えられることに注意しましょう。
また、パートやフリーターの方がカードローンの限度額が少なめなのと同様に、学生の場合も退職金や安定収入がないことが審査における短所となります。
専業主婦のカードローン限度額は30~50万円ほど
パートやアルバイト、会社員といった給料を得ていない専業主婦または主夫の場合、カードローンの限度額は30万円から50万円ほどに設定されることが多いです。
利用限度額がいくらになるかは、個人の信用情報や生活状況によっても変わります。
なお、金融機関によっては専業主婦からのカードローン申し込みを最初からお断りしていることもあるため、事前に確認しておきましょう。
専業主婦がカードローン地獄に落ちるのはなぜ?メカニズムと解決策
夫に安定収入があることが大前提
専業主婦の方がカードローン審査に合格するには、家計を支えているパートナーの方が安定収入を得ていることが大前提になります。この条件がない場合、カードローンの審査に通過することはできません。
また、申込時に認められる借入限度額は、安定収入を得ている方の年収によって変わります。
公務員や大企業の会社員など、金融機関からの評価が高い職種の方で高い収入がある場合、専業主婦の方が利用できるカードローン限度額は50万円ほどまでアップすることが多いです。
一方、自営業の方や株式投資のみで生計を立てている方の場合には、安定した収入が継続的に入ってくる可能性が低いとみなされてしまいます。
その結果、借りられる限度額は30万円までなど、低めに制限されるケースが多いです。
カードローン限度額は審査後に増額できる!
カードローンの限度額は年収や職種によって変化しますが、審査後に増額できるケースがあります。
最初に申し込んだ時に設定された借入限度額は、あくまでもサービス開始時の制限でしかありません。特定の条件を満たすことによって、あとからでも限度額を増やせる可能性があります。
たとえば、パートやアルバイト、フリーターとしてカードローンに申込、その後正社員として登用され多場合などは、増額申請が通りやすいです。
カードローンの限度額は、金融機関に増額の依頼をすることで、その時の状況を加味して再度審査してくれます。
そのため、収入状況が変化して改善された場合などは、増額審査を依頼してみるのがおすすめです。
なお、再審査の際には改めて収入証明書類などが必要になることがあります。給与明細など、収入を証明できる書類は直近の3か月分は少なくとも保管しておきましょう。
低収入でも優良顧客ぶりが認められるケースがある
なお、収入がそれほど上がっていない場合でも、申込をした当初より高い限度額にアップできるケースもあります。それは、金融機関から優良顧客ぶりが認められた場合です。
カードローンを定期的に利用していて、かつきちんと期日までに完済し続けている人は、優良顧客と見なされます。
お金を融資する金融機関から見れば、収入が高くてもほとんど借入を行わない人より、収入が低くても定期的にカードローンを利用し、返済してくれる人の方がより優良な顧客です。
利用状況によっては、電話での問い合わせ時やATMの操作画面などで、金融機関側から限度額のアップを打診されることなどもあります。
限度額の引き上げを希望する場合は、その時に増額手続きを行うようにしましょう。
カードローンの増額審査に通るポイント
最後に、カードローンの増額審査に合格しやすくなるためのポイントを3つご紹介します。
いくつかの点に注意してカードローンを利用したり、経済状況を改善させたりすることで、カードローンで借りられる限度額を増やせる可能性が高まります。
カードローンの利用歴が良好で利用期間が長くなれば自動的に増額審査に通りやすくなることもありますが、以下の3つのポイントに注意することでその確率をさらに早くアップさせることが可能です。
申込時の借入限度額からさらに多くの融資を受けられるようにしたい方は、ぜひ参考にしてください。
カードローンの限度額増額には審査が必要!増額審査に落ちる原因と今後の対策
返済を延滞しない
限度額を増やすためにはまず、カードローンの利用にあたって返済を延滞しないことが挙げられます。
基本的に、カードローンの利用で支払うべき最低金額を1度でも滞納してしまった場合、信用情報は不利になると考えたほうが無難です。
そのため、借りたお金は期日までにしっかりと返済するほか、延滞せず確実に返済できる分だけお金を借りることをおすすめします。
万が一、どうしても返済が遅れてしまうようなケースでは、それが分かった時点で金融機関に連絡を入れるようにしましょう。
実際に支払いが遅れてしまってから事後連絡するよりも、事前に期日までに間に合わない旨を伝えた方が印象は良くなります。
こまめにお金を借り入れる
こまめにお金を借り入れ、その都度きちんと完済することを繰り返すと、限度額の増額審査に通りやすくなります。
こまめにカードローンを利用するということは、金融機関にとってはそれだけ定期的に取引をしてくれる優良顧客ということです。そのため、限度額の増額審査が優遇されやすくなります。
また、こまめに利用して完済している人は返済能力が高いとみなされるため、増額審査で有利です。
必要以上にお金を借り入れる必要はありませんが、増額審査を希望する方は定期的にカードローンを利用しておくのがおすすめです。
新規借入審査から属性を改善しておく
限度額を増額しやすくする3つ目のポイントとして、カードローンを新規に申し込んだ時点とくらべて利用者属性を改善しておくことが挙げられます。
たとえば、パートやフリーターだった方が正社員になったりすると、増額審査に通る可能性が高くなります。
そのほか、毎月の収入をアップしておくことなども、審査時にチェックされる属性の改善につながります。
反対に、ほかの金融機関からも複数借り入れを増やしていたりすると、増額審査に不利になってしまうため注意しましょう。
カードローンの限度額は利用するごとに増えていく
今回は、カードローンの利用限度額についてご紹介しました。カードローンの限度額は、その仕組み上、融資を受ければ受けるほどアップしていきます。
借りたお金を期日までにきちんと完済することを繰り返せば、金融機関からの信用も高まり、限度額の増額審査に通りやすいです。
もし、新規申し込み時の借入限度額からアップしたい場合には、今回ご紹介したポイントを参考に継続的にカードローンを利用していきましょう。
また、収入状況や職業など、審査でチェックされるステータスを上げておくことも大切です。
ご自身が満足できる限度額まで増額して、いざとなったときの出費にも備えられるようにしていってください。