個人事業主や中小企業の経営者なら、急な資金繰りはつきもの。
事業資金が不足した場合、最後に頼りになるのがノンバンク系のビジネスローンです。
しかし、公的融資や銀行のビジネスローンとくらべて審査が甘いとはいえ、業績が赤字の場合は不安になりますよね。
数あるビジネスローンの中でも審査に通りやすいと定評のあるビジネクストは、赤字でも審査に通るのでしょうか。
ここではビジネクストの審査に落ちる理由と、落ちた時の対処法について解説していきます。
ビジネクストの審査が通りやすいと言える理由
ビジネクストの審査が通りやすいと言える理由としては、以下などが挙げられます。
- 資金に困っている事業者をターゲットにしている
- 利用目的が限定されている
- 赤字でも融資を実施する旨を公表している
詳しくは次から見ていきましょう。
資金に困っている事業者をターゲットにしている
そもそもビジネスローン会社は、資金に困った事業者がいないと成立しません。
資金に余裕はあるけど、さらなる事業拡大のため多額の資金を調達しようとしているような企業はビジネスローン会社を利用しないからです。
銀行の審査が通るまでの一時的な資金を必要としている経営者や、銀行では融資を受けられない経営者を相手にしているのがビジネスローンなのです。
返してもらう見込みさえあればできれば貸したい、というのが彼らの本音です。
利用目的が限定されている
ビジネスローンは、事業用の資金に限定してお金を貸してくれる会社です。
遊ぶお金や生活費を借りるわけではないので、それなりの金額が必要になってきます。
ビジネクストの場合、融資限度額の最高は1,000万円となっています。
そこまで借りられるかは審査の状況によって変わりますが、経営者が個人的に消費者金融で借りるよりも、間違いなく高額を借りることができます。
赤字でも融資を実施する旨を公表している
業績が赤字の場合、審査に通らないのではないかと不安になります。
しかし、あきらめるには早すぎます。
ビジネクストはホームページ上ではっきりと、赤字決算であっても過去の財務状況だけでなく現状のご商売に鑑み融資実行の可能性を検討すると明記しています。
過去の経営状態ではなく、これからきっちりと返済できる能力があるかを見てくれるのです。
ビジネクストの審査の流れ
ビジネクストの審査は以下の流れに沿っておこなわれます。
- ①申し込み
- ②書類提出
- ③在籍確認
- ④ローン契約
詳しくは次から見ていきましょう。
①申し込み
まずはビジネクストの審査を申し込みましょう。
審査を申し込む際に入力が必要な事項は以下のとおりです。
- 利用希望商品(事業者ローン・医療機関・介護事業社向けローン・不動産担保ローン・売掛金債権ファクタリング・法人クレジットカード)
- 資金用途(運転資金・設備資金)
- 事業資金(法人・個人事業主・給与(正社員・パート・アルバイト)
- 氏名
- フリガナ
- 生年月日
- 性別
- 自宅住所
- 電話番号
- 自宅の電話番号
- 会社の電話番号
- 会社のFAX番号
- 希望連絡先
- メールアドレス
- 会社名
- 振り仮名
- 会社の所在地
- 登記上の所在地
- 創業/成立年
- 年商
- 税込年収
- 自己(自社)所有不動産
上記の情報は全て審査基準になります。
誤りがないようにしっかりと入力しましょう!
②書類提出
ビジネクストの申し込みをおこなうと仮審査が実施され、書類の提出手続きに移行します。
ビジネクストの審査で提出が必要になる書類は以下のとおりです。
法人 | 個人事業主 |
---|---|
代表者本人を確認する書類 | 本人確認書類 |
決算書 | 確定申告書 |
事業内容確認書 |
提出書類に不備があると審査に時間がかかるだけではなく、審査落ちの原因にもなります。
しっかりと書類を確認して提出しましょう!
③在籍確認
ビジネクストはビジネスローンに該当しますが、カードローンと同じように在籍確認が実施されます。
在籍確認とは申し込み者が申告したとおりの会社を経営しているかを確認する審査のことで、ビジネクストの場合は審査担当者が申し込み者の会社に直接電話を掛けることでおこなわれます。
以下に在籍確認が完了するケースをまとめました。
- 申し込み者が在籍確認の電話に出た
- 職場の人間が申し込み者の不在(休暇・外出など)を伝えた
一方、以下などの場合は在籍確認が完了した扱いになりません。
- 誰も電話に出なかった
- 電話に出た人間が申し込み者を把握していなかった
確実にビジネクストの審査を通過するために、以下などのコツを実施することをおすすめします。
- ビジネクストに相談する
- 職場の人間に電話対応を頼む
詳しくは次から見ていきましょう。
ビジネクストに相談する
まずはビジネクストに在籍確認について相談の電話を掛けましょう。
場合によっては以下などの対応を受けることができます。
①在籍確認を実施する前に申し込み者に連絡する
②申し込み者が指定した時間帯に在籍確認を実施する
③在籍確認を書類提出で代替する
③の対応を受けるためには相当の理由が必要ですが、①・②に関しては希望すれば受けられるでしょう。
なお在籍確認について相談をする際は、審査担当者(在籍確認の電話を掛けてくる人)の名前を聞いておきましょう。
次から説明しますが、職場の人間に電話対応を頼みやすくなります。
職場の人間に電話対応を頼む
ビジネクストへ在籍確認の相談が完了次第、職場の人間に電話対応を頼みましょう。
「部下などに会社がローンを利用していることを伝えたくない」という場合は、以下のように頼むことをおすすめします。
一部のクレジットカードも発行の際に在籍確認が実施されるため、上記のように伝えれば職場へ個人名で電話が掛かってきても、不審に思われることはないでしょう。
在籍確認の対策をしっかりと整えてスムーズにビジネクストの審査に通りましょう!
④ローン契約
在籍確認はビジネクスト側にも手間がかかることから、審査の最終段階で実施されるケースが多く、在籍確認さえクリアしてしまえば審査に通ったも同然です。
在籍確認完了後、審査結果の連絡がくるため、指示に従ってローンの契約を結びましょう。
なおこの段階で審査の上で決まった借入額や、月々の返済額を確認できます。
注意事項や利用規約などもしっかりとチェックしておきましょう!
ビジネクストの審査に落ちる原因
ビジネクストの審査に落ちる原因としては、以下などが挙げられます。
- 貸付条件を満たしていない
- 虚偽の申込が発覚した
- 4件以上のローンに同時に申込んだ
- 事業計画が不透明
- 直近2期以上赤字が続いている
- 創業年数が短い
- 他社借入が多い
- 代表者の信用情報に傷がある
詳しくは次から見ていきましょう。
貸付条件を満たしていない
ビジネクストの貸付条件を満たしていなければ、審査に通ることはありません。
ビジネクストの貸付条件は以下のとおりです。
- 法人または個人事業主
- 申し込み時の年齢が満20歳以上69歳以下
特に個人事業主の場合は年齢制限に気をつけましょう!
虚偽の申込が発覚した
虚偽の申し込みがビジネクストに発覚すると、会社の属性に関わらず審査に落ちます。
良くある虚偽の申し込み例としては、以下などが挙げられます。
- 年商を多く申告した
- 他社借入件数を少なく申告した
ビジネクストは過去の取引実績から相当正確に年商を見積もることができますし、他社借入件数は代表者の信用情報を調べればすぐに分かってしまいます。
また場合によってはビジネクストを騙そうとした、と判断されて警察や裁判沙汰になる可能性もあります。
虚偽の申告だけは絶対に避けましょう!
長期間の業績不振
長期的に業績不振の状態が続いているなら、この会社は危ないのではないかと思われてしまいます。
ビジネクストといえども、審査に通るのは難しくなるでしょう。
そもそも会社の存続が危ない状態ですから、根本的な対策をとる必要があります。
ただし、業績不振の理由が将来の利益を見越しての計画的なものである場合や、税金対策や何らかの事情であえて赤字にしている場合、業績不振が続いているにしても徐々に改善されている場合は、将来性があると判断され、融資を受けられる可能性があります。
いずれにしても、業績について嘘をついて申告することだけは絶対にやってはいけません。
事業計画が不透明
お金を貸す側の立場に立つと、事業計画は貸す相手に返済能力があるかを判断する重要な資料です。
いい加減な内容や夢のような話を書いていては、融資を受けるのは難しくなります。
ビジネクストのホームページから「事業内容確認書」「資金繰り表」をダウンロードできます。
これを見るとビジネクストが何を知りたいのかがよく分かるので、まずはダウンロードして内容を見ることをおすすめします。
ビジネクストが用意する事業内容確認書の事業計画の項目には、今の事業で一年以内に計画していることを書く欄と、1年以内に新たに事業を起こす計画があるかを書く欄があります。
ここがしっかり書けていると、審査に通る可能性が大きくなるでしょう。
資金計画も重要です。貸したお金の使いみちが不透明だと、貸す側は不安になります。
逆に、何のための資金がいくら必要なのか、現実的な返済の見込みがあるのか、しっかり説明されていれば融資を受けやすくなります。
直近2期以上赤字が続いている
直近2期以上の連続経営赤字が続いている場合は注意が必要です。
これは、一般的に事業用資金の融資を受ける審査の基準として、連続2期以上の黒字決算が望ましいとされているためです。
ビジネクストは過去の経営状態よりも、現在の経営状態が徐々にであっても赤字が解消されてきているかを見てくれます。
とは言え、直近2期以上の赤字状態が続いているのならば、より慎重に審査の準備をする必要があります。
審査基準は他にもありますので、そちらでカバーするようにしましょう。
創業年数が短い
創業年数が長い会社は、それだけで信用があります。
継続して事業を続けるのは大変なことです。
仮に30年も続いている会社なら、たとえ小さくても堅実な経営をしていると誰もが思うでしょう。
お金を貸す側にしても、すぐに倒産する心配が少なくてすみます。
ビジネスローンの審査も有利に進めることができます。
逆に、創業間もない会社の場合はどうでしょうか。
事業を始めたばかりの会社にとって最初の3年間を乗り切ることは、とても大きなハードルであると言えます。
創業3年未満の会社は世間から、まだどうなるものか分からないと見られても仕方がないのです。
そのため創業年数が極端に短い会社は、ビジネスローンの審査を通過するのが難しくなります。
しかし、ビジネクストでは業歴1年以上で決算書か確定申告書を提出すれば、審査は可能だと言ってくれています。
創業年数が短いことは審査を通過する上で確かに不利ですが、あきらめる必要はないのです。
もし会社を設立する前に個人事業として活動していた時期があるのなら、その期間も業歴に入れることができます。
嘘の申告にはなりませんので、しっかりアピールしましょう。
ちなみに、開業資金としての融資はビジネクストでは扱っていないので、注意が必要です。
他社借入が多い
他社での借り入れが多いと、お金に困ってあちらこちらから借金をしている印象をあたえ、間違いなく審査ではマイナスに評価されます。
借入額もそうですが、借入件数も少ないほうが審査に通りやすくなります。
ビジネクストで審査を受ける前に、可能な限り他社での借り入れを減らしておくことをおすすめします。
ビジネスローンを利用するのが初めてで他社でも融資を受けていないなら、ビジネクストの審査は大変通りやすいと考えていいでしょう。
しかし、他社での借り入れが多くてもあきらめる必要はありません。
きちんと返済していれば、やがて信用情報での実績となります。
その場合は初回借り入れよりも有利になるので、まずは現在の借り入れを減らすことを考えましょう。
他社借入の返済期間からあまり日にちがたっていない状況で、審査に申し込むのはおすすめできません。
代表者の信用情報に傷がある
金融業者が最も重視するのが、貸す相手の信用情報です。
個人事業主であっても法人であっても、代表者の信用情報は必ずチェックされます。
過去にローンの返済が遅れたり、債務整理を受けたりした経験がある方は、どこのローン会社の審査もまず通りません。
特にビジネクストのようなビジネスローンは無担保で融資をするのですから、信用情報に傷が付いている人間が審査に通ることは難しいでしょう。
ただし、信用情報というのは数年で回復します。
不安な場合は、あらかじめ自分の信用情報を調べておきましょう。
信用情報にキズを付けた経験があっても、それが何年も前の事なら無効になっている可能性があります。
ビジネクストの審査に落ちた時の対処法
ビジネクストの審査に落ちた時の対処法としては、以下などが挙げられます。
- 赤字を減らす
- 実績を作る
- おまとめローンで他社借入件数を減らす
- 事業計画書を作り直して再度申込む
詳しくは次から見ていきましょう。
赤字を減らす
基本的なことですが、まずは赤字状態を改善する努力をしましょう。
連続経営赤字が続いている会社を黒字にするのは簡単ではありませんが、まずは少しでも改善させましょう。
赤字の原因は、無駄です。
人件費の無駄。材料の無駄。光熱費の無駄。商品の無駄。取引先の無駄。
会社を見渡して、無駄だと思えることはないでしょうか?
無駄な経費がかかっているなら、そこを改善するだけでその分赤字は軽減されます。
赤字状態を少しでも改善できていれば、少なくともビジネクストの審査に通る可能性は見えてきます。
実績を作る
他社からの借入件数が多くビジネクストの審査に通らなかった場合、まずは現在ある借り入れの返済をしっかり行います。
また、経営者の信用情報にキズがある場合も、現在借り入れがあるなら遅れずにきっちり返済していくことが大切です。
これらの履歴は実績になります。たとえ借り入れがあったとしても、きちんと返済しているという実績を作れば、初めて借り入れをする場合とくらべて審査のときに有利になります。
創業年数が少なくて審査に通らなかった場合は、1年また1年と苦労しながらでもとりあえず会社を存続させていきましょう。
今は苦しくても会社を長く存続させることができれば、それが会社の信用になります。
創業年数が長ければ、ビジネスローンの審査には通りやすくなります。
開業から1年未満で審査を受けられなかった場合も、とりあえず最初の1年を乗り切りましょう。
1年でも創業年数があれば、ビジネクストの審査を受けることはできるようになります。
おまとめローンで他社借入件数を減らす
他社からの借り入れが多くてビジネクストの審査に通らなかった場合は、まずは借入件数を減らさないと審査に通ることはできません。
自力で返済していくことが難しければ、まずはおまとめローンを検討してみてはいかがでしょうか。
複数の借金を一つにまとめることで、金利を減らし支払いを楽にすることができます。
消費者金融の場合は総量規制があり、年収の3分の1までしか借りることができません。
おまとめローンを使って借入件数を減らした場合、借金の総額は減りません。
しかし、ビジネスローンには総量規制がかからないので、場合によっては会社の売上以上の借り入れをすることも可能です。
まずは借入件数を減らす、ということを目標にしましょう。
ある程度借入件数を減らせた時点で、ビジネクストに再申し込みをすることをおすすめします。
事業計画書を作り直して再度申込む
事業計画書は本来、融資を受ける際に必要になるものです。
融資をする側は事業計画書を見て、相手の返済能力を判断します。
しかし、しっかりした事業計画書を作ることは、会社経営そのものにも大変役に立ちます。
会社の収入である売上金額。
仕入れ金額等の売上原価。
人件費・地代家賃等の経費。経常利益。
これらを見直すことで、現在の会社の状況を見直すことができます。
そしてこれからの予測を立て、対策を考えます。
いい事業計画書を作ることができれば、ビジネクストに再申し込みしたときの審査に通る確率があがります。
それだけではなく、会社の経営を立て直すことまで出来るのです。
しっかりと対策を立ててビジネクストの審査を申し込もう!
ビジネクストはアイフルのグループ会社であり、母体のしっかりした会社です。
契約実績も多く、他のビジネスローンにくらべて審査に通りやすい傾向があります。
これまで見てきた注意点を守ってしっかり準備をすれば、審査に落ちることはまずないでしょう。
残念ながら審査に落ちてしまった場合は、他の方法での融資を考えることになります。
会社の資産を担保に入れる。経営者の資産を担保に入れる。
経営者個人としてローン申し込む。など、考えられる手段はいくらでもあります。
まずは会社を存続させて、少しでも経営状態を改善してから再申し込みをしても遅くはないでしょう。
最後に、経営する事業が赤字状態から抜け出し、とりあえず資金繰りの必要がなくなった場合にも、ビジネクストの審査を通しておくことをおすすめします。
ビジネクストを始めとするノンバンク系のビジネスローンは、銀行や公的機関からの融資にくらべて金利が高く設定されています。
誰でもできれば高い金利は払いたくありません。
しかし、急な資金繰りが必要になることはあります。
時間がかかる銀行の融資では間に合わない場面もあるでしょう。
そんなとき頼りになるのは、最短では即日融資も可能なビジネスローンなのです。
経営状態がよく審査に通りやすいときに枠だけでも作っておけば、いつか役に立つことがきっとあるでしょう。